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革の基礎知識 Basic knowledge of Leather

革の基礎知識

Charm of a natural material
Leather Furniture 〜革と暮らす。〜

革が一番多く使われている商品はなんだろう。そう考えたとき、大きさではこれ以上のないものがある。それが家具だ。人が身に着けるものではない、しかし身近なプロダクト。古来より人々の生活の中にあったこの製品は、いまも多くの人を魅了し続けている。

 
Leather Furniture 〜革と暮らす。〜
  ▲ 美しく張られた革。その表情は革素材の良しあしで大きく変わる。
  そこには革にかける職人たちの想いが込められている。

私たちの暮らしの中で身近な存在となっている、革。ひと昔前までは、合成繊維などコストをおさえて大量生産できる素材が多く使用されていたが、ここ数年で「天然」の良さにあらためて注目が集まり、好まれる傾向にあるという。靴、鞄、財布などの小物では、特に天然皮革が人気だ。そしてもうひとつ、私たちの暮らしの中で革が使われている製品がある。それが家具だ。

革張りソファ。革の質感、風合いが顕著にその品質に表れる革製品のひとつ。一人掛けでも使用される革の大きさは、大型の鞄以上の面積を持つ。だからか、以前はビニール素材や合成革など、できるだけコストをおさえた見栄えだけの商品も多くあった。しかし、近年の消費者ニーズは「天然素材」の質感、風合いを求めている傾向が強いという。

革という素材が持つ特性をしっかりと知る消費者も増えており、天然のメリットデメリットを知った上で革という素材を選んでいる。それだけに革をつくる側も高い品質管理のうえで制作する必要があるのだ。

面積だけでなく、色、質感に天然の良さをどこまで伝えることができるか。このことは革という素材をつくる、タンナーの技術力がものをいうところ。キズやダメージなどのない箇所をさけて裁断できる製品とは違い、家具用の革はパーツ面積が大きいため、そのような裁断が難しい。いいところ取りができないため、歩留まりが悪いのだ。

それだけに、革一枚にかけるタンナー、革問屋、そして家具制作現場の想いは、強い。ベーシックな製品ほどその技術力は必須だが、昨今のナチュラル志向の革でも、逆に色のムラ感などの注文は細かく入るというから、この業界の皮革素材を制作するのがどんなに大変か、またその中で生き残っているニッポンのタンナーの技術力がどんなに高いかを、一枚の革=革張りソファから知ることができるはずだ。

座って、寝ころんで、いつしか体になじんでいく革の質感。革張りソファには、革の良さを全身で体感できる他の革製品にはない魅力があるだろう。手に持つ、使う道具とはまた違った、革の魅力を知ることができるプロダクトなのだ。

革家具の基礎知識
使われている革ってどんな革?
使われている革ってどんな革?

どんな家具を制作するかによってその基準は様々だが、基本は耐久性があり耐摩耗性に優れた革が使用される。使用時は人間の全体重の負荷がかかり、日常生活の中ではさまざまな状況が予測されるため、革に求められる基準値は高い。家具ではないがカーシートも同様で日焼けなどより過酷な条件化を想定して作られる。

大型ソファは大きい革を使う?
大型ソファは大きい革を使う?

革の面積に比例するように、当然使用される革も大きい。裁断・縫製して使われるとしても、例えば背面部分などの面積自体が大きいので、小型の動物ではそもそも足りない。成牛革の中でも大型、場合によっては丸革を必要とする。色・風合いの統一などを考えると理想は一枚の革からすべてとれるのが理想だ。

風合いによって仕上げの方法は違う?
風合いによって仕上げの方法は違う?

過酷な状況化の使用を想定し、耐久性、耐摩耗性、防水性をつけるため、塗装により表面を保護する仕上げが一般的。ただ、塗装を厚くしすぎると革本来の風合いが損なわれる。最近では銀面の美しさをいかした、ナチュラルな仕上げも増えている。強度と、風合い。そのバランスが革張りソファのキモだ。

色・銀面の均一性が重要である
色・銀面の均一性が重要である

革は天然由来であるため、なめしの仕上がりや染色には多少のムラが生まれる。それこそが天然の味でもあるが、ソファでは裁断面積が大きいため、他の皮革製品よりも均一性が求められる。そのため革一枚単位での品質管理が重要。ムラを減らすため、スプレーではなく、特殊な塗装機や手塗りで染めあげる工房もある。

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