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革のスキンケアをはじめよう 革製品のお手入れ基礎知識

革製品のお手入れ

基本を知って効果的なお手入れをマスター! 革製品のお手入れ基礎知識

製品のお手入れは、グッズの種類が多く、手順が複雑と思われがち。けれどお手入れを身近なスキンケアに例えれば、意外と簡単なのだ。革製品を美しく長く保つための知識を身につけよう。

2ケアとつや出しの違いを知る

混同されがちなのが、ケアとつや出し。ケアは革を清潔で潤った状態にすること、つや出しはワックスなどで光沢を出すことで、目的が違う。

お肌のすっぴんとお化粧の違いで考えよう

いうなれば「ケア」は、クレンジングと保湿で素肌を清潔にし美肌になること。その一方で「つや出し」は、ポリッシュなどで光沢を与えて見栄えをよくすること。口紅やチーク、アイシャドウなどメイクアップすることと考えれば分かりやすい。正しいケアで、日頃からきちんとコンディションを保っていれば、薄く仕上げたメイクでも充分映える。

ケア

ケア
不意のトラブルだけでなく、体から出る汗や油脂が革の中に浸透し、汚れやひび割れ、剥離の原因に。これを洗い落とし、プロテクト(保革)する

つや出し

つや出し
革の表面をコーティングするため、防水効果も期待できるが、塗りすぎると革が本来持つ放湿性能を下げてしまい、ヒビ割れの原因にもなり得る
3革のタイプに合ったグッズを使おう

革の表面の仕上げを基準にお手入れグッズを選ぼうとすると、数多い仕上げの種類に戸惑ってしまう。革のタイプを大きく3つとその他に分けて考えよう。

A type アリニンレザー

A type アリニンレザー 別名:ナチュラル、ピュア、ネイキッド、アンプロテクト
自然な風合いを活かしたデリケートなタイプ

革表面の天然な模様やシミが、そのままの状態で見える。指先にクリーナーをつけ軽く革の表面を擦り、黒ずむかどうか確認。革の色は少し黒ずむが乾くと元の色に戻る。

P type プロテクトレザー

P type プロテクトレザー 別名:顔料仕上げ、セミアニリン、ピグメント
外見や色合いが均一 傷が付きにくい仕上げ

汚れ防止などの表面を保護する仕上げがされた革。最上層はウレタン加工でクリーナーを表面に少量たらし、指先で軽く擦っても浸透せず、表面が水で光ったように見える。

N type ヌバック

N type ヌバック 別名:デイストレスト、ボンバー、スエード
表面を起毛させしっとりとした手触り

アリニンレザーの表面あるいは裏面をサンドペーパー掛けし、革の表面(裏面)をベルベットに似たキメの細かさを出したもの。指先で革の表面を撫でると指の跡が残る。

Others エキゾチックレザーなど

Others エキゾチックレザーなど
光沢があり個性的な模様が魅力

ワニ、ヘビ、トカゲといった爬虫類や光沢のある革は、たんぱく質の一種であるカゼインが吹かれており、水に弱い。カゼインの膜を壊さない専用のクリーナーでケア。