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革のスキンケアをはじめよう 革製品のお手入れ基礎知識

革製品のお手入れ

プロに任せて安心キレイ!愛用品のリペア&カスタム

誰もがひとつは持っているであろうレザーの愛用品。愛着があるからこそ長く使いたいもの。日々のメインテナンスに加えて、思い切ったリペア&リフォームも長持ちの秘訣だ。

CASE_1 壊れた鞄のハンドルをリニューアルしたい!

使い込んだ通勤鞄は持ち手部分がすっかり劣化している。そっくり取り替えて、これからも仕事の相棒に。

重い荷物を詰め込んだため、ハンドルの革が伸び、切れてしまった。そのため今回は思い切ってハンドルの交換をオーダー。デザイン変更もOK! と気合いのアイデアスケッチ

STEP 1 カウンセリング

カウンセリング

商品の状態を確認し、イメージを共有。遠方の場合はイラストをもとに電話相談を。今回は打ち合わせの結果、元のデザインを尊重した仕上がりを目指すことに決定!

STEP 2 革を選ぶ

革を選ぶ

膨大な在庫の中から、素材・色味ともに最も合う革を探し出す。修理の箇所や面積にもよるが、今回は色味を何より重視して選ぶ。そのセレクトセンスもまた、職人の腕次第だ

STEP 3 ハンドルを外す

ハンドルを外す
ペンチ
TOOLペンチ
金具の取り外しに使用するクイキリは、工房ではペンチと呼ばれる。道具は番号順に、厳重に管理されている

ハンドルを外したら、バラしてハンドルの中に入っている「芯」を抜き、状態を確認する。元の仕様に近づけるため、芯は再利用。やり方はさまざまあるが、判断は職人さんによる

STEP 4 型紙をおこす

型紙をおこす

バラしたハンドルを採寸して、本体を確認しつつ、直尺と曲尺を使って型紙におこしていくスピードはさすが。一切の迷いなく素早く切り取られ、あっという間にパーツが揃う

STEP 5 裁断

裁断
革包丁
TOOL革包丁
革専用カッターは「慣れるまでしょちゅう手を切った」ほどの、抜群の切れ味。これで紙も切ってしまう!

天然ならではの傷の位置や革の向きを確認し、ためらいなく無駄なく裁断していく。「どこを裁断するかが職人の目利き」とは、藤原さんの仕事を見守る熟練の職人さんの言

STEP 6 革漉き

革漉き

今回使用した革は色を優先したため若干厚みが足りず、中にもう一枚革を入れ込む。革を巻き込む(糊しろ)部分をつくるため、専用の革漉き機で四辺を薄くする作業が発生した

STEP 7 パーツを接着

パーツを接着

革が伸びるのを防ぐためにナイロン製のテープで補強してから、厚みを出すための革を内側に貼り付ける。芯は両面テープで固定して、両側から革で包み込んで接着させる

STEP 8 ハンドルを縫合

ハンドルを縫合

革に最適な針・糸・押さえの強さや目の大きさを調整したミシンを使用。ハンドルの部分は一旦縫ってから、本体と結合する部分だけあらかじめ糸を取り除いておくのがポイントだ

STEP 9 金具の穴あけ

金具の穴あけ
丸ポンチ
TOOL丸ポンチ
穴を開けるための打ち具で、サイズは多種。相棒にはプラスチックハンマー、略して「プラハン」がベスト

本体にあいている穴とずれないように印をつけた場所に、カシメを打つための穴を4箇所あけていく。いくつかのカシメの中から、革の厚さにフィットするものを選び出す

STEP 10 ボディとハンドルを縫合

ボディとハンドルを縫合

まずは接着剤でハンドルを本体につけて、ラインが二重にならないように前もって糸を抜いておいた穴にひとつずつ確実に針を進めていく。これで見た目にも美しい仕上がりに!

STEP 11 金具を取り付ける

金具を取り付ける
かしめやっとこ
TOOLかしめやっとこ
丸カンの開閉に使う道具でカシメの直径や首の長さによってサイズ展開あり。種類が多いため管理も大事な仕事

最後に飾りのカシメを取り付けて出来上がり。商品の顔になる目立つ部分なので特に慎重に。ここに至るまで、見えない部分で職人さんによる丁寧な作業があるからこその完成だ

STEP 12 仕上げる

仕上げる

検品は職人以外のスタッフが行う。ハンドルの長さなど、お客様の要望と仕上がりが一致しているかを確認して、最後に革の天敵である乾燥を予防するクリームを塗り込んで完成!

つややかな新しいハンドルは、質感といい色といい本体との馴染みもよく、見違えるほどの仕上がり。月に一度陰干しし、クリームでお手入れするとツヤも出て、革も長持ちする

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