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Z世代のものづくりと革鞄・バッグに対する意識の変化(2)
ビフォーコロナ&ウィズコロナ時代の卒業制作作品から探る
革鞄・バッグ、私たちのいままでとこれから

Z世代のものづくりと革鞄・バッグに対する意識の変化(2)ビフォーコロナ&ウィズコロナ時代の卒業制作作品から探る革鞄・バッグ、私たちのいままでとこれから

「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン 新語・流行語大賞 2021年度のトップテンに選出された、「Z世代」。1990年代後半~2000年代に生まれた現在10~20代前半がそう呼ばれ、令和時代の消費トレンドを牽引しているといわれています。

「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン 新語・流行語大賞 公式サイトには、「この世代を象徴するものが何かというと、それはもうスマホである。スマホが新語・流行語大賞を受賞したのが2011年、小学生の時には手に持つおもちゃはスマホだった世代だ」と表現されました。

いま、スマートフォンとSNSをネイティブ感覚で使いこなし、それらを起点に生まれるトレンドを発信し拡散するZ世代。この世代のクリエイターが考える革鞄、レザーバッグとは何か?彼らが育んだファッションの歴史、感覚を探るべく専門学校ヒコ・みづのジェエリーカレッジにご協力いただき、同校バッグコースの卒業制作作品の傾向とともに、Z世代のリアルを探ります。2019年度、2020年度、ビフォーコロナ&ウィズコロナ時代でどのような意識の変化があるのか、秀逸な作品から感じてください。

2019年度卒業制作展

和モダン&ポップ

「東京オリンピック」開催に向けた準備が進んでいた2019年。海外からの旅行者が増え、インバウンド消費の高まりとともに、日本の伝統文化の再評価、発信が盛り上がりました。

その影響を強く感じる、和のモチーフをテーマとした作品が見受けられます。クラシカルなニュアンスをそのままにモダンなデザイン、ポップなテイストでアップデート。海外のユーザーからも人気が集まりそうな仕上がりは、SNSの投稿などを通して、グローバルな感覚を自然と身に着けているZ世代らしさが漂います。

Faceless 齊藤 明希さん

Faceless 齊藤 明希さん

着せ替え和装バッグ 笹川 里奈さん

着せ替え和装バッグ 笹川 里奈さん

身体に馴染むソフトなタッチ感

ロングトレンドとして定番化したミニバッグ、サコッシュを軸に、くったりしたコットン生地のトートバッグ、マルシェバッグとの2個持ちスタイルが定着。その身体感覚が息づくバッグが発表されています。

コーディネート性、ファッション性の高さが重視され、身体にも着こなしにもしっくりと馴染むニュアンスを表現。薄く漉いた衣料革などを使用し、ソフトな素材感を打ち出しました。ファッション感度を平均化する記号としてのITバッグとは逆のアプローチによる、持つひとの個性に寄り添う、つくり手の想いが光ります。

纏えるバッグ 中元 紫農さん

纏えるバッグ 中元 紫農さん

2faced 草壁 千梨津さん

2faced 草壁 千梨津さん

2020年度卒業制作展

バッグのライフスタイル化

新型コロナウイルス感染拡大により、時代が大きく変わってしまった2020年。感染対策として非対面非接触がスタンダードとなり、密を避ける暮らしが、ひとりひとりのライフスタイルを見つめ直すきっかけとなりました。

バッグだけでなくファッション関連のジャンルでは、トレンド要素を排し、自分らしさを投影できるプロダクトに注目が集まるなか、「キャンプ」や「カメラ」をテーマに時代の空気感を的確に表現した作品が登場。瑞々しい感性が新しいバッグの可能性を切り拓きます。

bokker 田口 祐樹さん

bokker 田口 祐樹さん

feminine camera bag 熊本 美鈴さん

feminine camera bag 熊本 美鈴さん

新しいバッグの機能・使い方提案

ステイホーム、リモートワークの時代。他人と会わない、外出をしないため、バッグをはじめ、ファッション関連製品の必要性が失われた2年となってしまいました。

通学や作品制作も難しい時期にも関わらず、「使いたいバッグとはなにか?」「欲しくなるバッグとはなにか?」を真摯に向き合い、機能・構造を工夫して新しい使い方を導き出す作品へと結実。バッグの概念を塗り替え、ユーザーの不便を解消するアイディアを盛り込みながらも、洗練されたプロダクトとして昇華させました。作品からつくり手のやさしさがそっと伝わります。

底上げ和バッグ 宮川 万穂さん

底上げ和バッグ 宮川 万穂さん

Tar Bag -Take a rest.-  三隅 完太さん

Tar Bag -Take a rest.-  三隅 完太さん

ファッションからエモーションへ

コロナ禍がファッションの必然性、革鞄・バッグの役割を大きく変化させました。リモート主体の新しい生活様式のなか、見られることを意識したファッションから、使うひとの嗜好や自分らしさを重視するエモーショナルな装い、消費行動へとシフトしつつあるようです。

そんななか、ポジティブに表現を模索するZ世代の学生たち。卒業後の活躍と、ユーザー、レザーファンの心を揺さぶる、新感覚のバッグをつくってくださることを期待しています。

専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジとは

専門学校ヒコ・みづのジェエリーカレッジは、ジュエリー分野にしぼった日本初の学校法人として認可された専門学校。そのほか、ウォッチ、シューズ、バッグコースを開設。各分野に特化した“モノづくり”の技術の修得を目指す学びの場です。

“人の手の作業”“温もりのあるものづくり”を教育の根幹とし、「実践的な専門能力の修得とともに、モノづくりの喜びと奥深さをつたえる」「古くから伝わる技術を学び、それを新しいカタチで表現できる人材を育成する」「社会の多様性を理解し、広い視野で物事をとらえる人材を育成する」。この3つの教育理念をもとに、あらゆるクリエーションシーンを支える人間教育を推進。

日本最大規模を誇るレザープロダクトコンペティション「ジャパンレザーアワード」では歴代のグランプリをはじめ、数々の受賞者を輩出するなど、優秀なクリエイターの養成機関として広く知られています。

体験入学・学校説明会 開催中

2022年度の入学に向け、AO入学制度による出願(日本人のみ対象)、一般出願、推薦出願、自己推薦出願などの募集がスタートしています。

体験入学・学校説明会予約受付中。「個別見学」ではオンラインでの個別相談も好評です。オンラインでの参加でもAO入学のエントリー資格が付与されます。保護者や友人同伴での参加も可能です。そのほか、出願・入試要項、今後のオープンキャンパスなどにつきましては、下記リンク先をご確認ください。

参考サイト

ヒコ・みづのジュエリーカレッジ

https://www.hikohiko.jp/

2019年度卒業制作展

https://sites.google.com/view/mizunogakuenshow2019/

2020年度卒業制作展

https://sites.google.com/view/mizunogakuenshow2020/