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ジャパンレザーVOICE:放送後記
放送後記
9月20日、「ジャパンレザーVOICE(#レザボイ)」第十五回を放送いたしました。レギュラーコーナー「ジャパンレザー 旬暦」と「キーパーソンインタビュー」を隔月ごとのオンエアしておりますが、今回は「ジャパンレザー 旬暦」。この秋話題のものづくり産地とそのエリアでつくられる製品をご紹介。
また、ジャパンレザーの最新ニュースをお届け。9月中旬~10月上旬、東京・渋谷で行われるジャパンレザー関連イベントのレポートおよびお知らせをいたしました。
レギュラーコーナー「ジャパンレザー 旬暦」の特別編として、朝ドラの舞台として話題!東かがわ市の革手袋と題し、製品だけでなく、産地の情報も加えて構成いたしました。
昨年ご好評いただいた革手袋特集の第二弾。香川県の東端に位置する東かがわ市は、およそ130年という長い年月のなかで、時代によって変わるニーズに応えてきた手袋のまち。現在では、商品の多様さ、品質の高さなどから、国内はもちろんのこと、世界でも屈指の手袋総合産地として知られるようになりました。
そして、NHKテレビ朝の「連続テレビ小説」、10月スタートの新作は、戦後の大スター、笠置シヅ子さんがヒロインのモデルとなっている「ブギウギ」。なんと、ヒロインの出身地として登場予定です。すでに撮影も行われ、地元はとても盛り上がっているそうです。
グローブミュージアム 公式ウェブサイトのコーナーをピックアップ。まずは「産地のあゆみ(手袋産業のあゆみ)」に「人物紹介」のテキストも加え、歴史をひも解きます。なお、サイト内の表記統一に準じて人名は敬称略とさせていただきました。
手袋産地としての歴史は、明治時代に手袋産業の生みの親、
そのころ、故郷の松原村では製塩業(塩づくり)が衰退し、失業者が増え新たな雇用創出が必要でした。当時の松原村の村長と教蓮寺の住職が辰吉に手袋製造業で故郷を救済して欲しい、と相談。そして教蓮寺の境内に手袋製造所「
着実に地域に定着していった手袋製造業は、大正3年に勃発した第一次世界大戦をきっかけに産業としての基盤を確立。その後、太平洋戦争の終結により復興を目指した手袋産業は、1949年(昭和24年)革手袋の製造が再開。香川県を代表する産業に成長してきました。その後、昭和30年代の神武景気、岩戸景気と大型消費ブームにのって世界一の手袋産地に。昭和50年代からは海外へと生産工場を移すなど、規模を拡大していきました。
1981年東京・原宿で、「81~82手袋コレクション」と銘打って、世界初のファッションショーを開催。1982年、11月23日を「手袋の日」と制定しました。1988年「ふりかえる百年、みつめる百年、きぼうの百年」をテーマにハンドピア‘88手袋百年祭が白鳥町総合会館を中心に開催。引田町中央公民館では日本を加えた7カ国により世界手袋サミットも開催。
2008年東かがわ市の手袋製造120年を記念してバーチャル・グローブ・ミュージアムを開設。2009年「香川の手袋資料館」開館、2014年、古い手袋や製造道具721点が国の登録有形民俗文化財に登録。「香川手袋」ブランド創設。2018年、東かがわ市の手袋産業が、130年を迎えました。手袋は防寒具から季節ごとに異なる用途があるファッションアイテムへと進化。今後の手袋産業のさらなる発展が期待されます。
グローブミュージアム 公式ウェブサイトのコーナーでは、製品の種類ごとに、手袋の作り方が掲載されていますが、今回は革手袋の作り方をご紹介!
薄くて、柔らかく美しい吟面(革の表面)をもつシープスキン(羊革)などを使った革ドレス手袋は、手にぴったりとフィットし、動かしやすくするために適度な横伸びのテンションが必要とされます。天然皮革は一枚一枚その表情が違うため、1双の手袋で左右が同じようにするために、シボ(皮革表面のシワ模様)合わせを行います。
続いて、「世界の手袋」。古くは紀元前14世紀の古代エジプトの少年王・ツタンカーメンの副葬品に麻製の手袋が発見されています。
紀元前8世紀の古代ギリシアのホメロスの作品には、美と愛の女神ビーナスが
中世ヨーロッパでは、国王や僧侶ら上層階級の人々が宝石で飾った手袋をはめ、特に教会では手袋は指輪とともに司教の地位にある者だけしかその使用が認められておらず、神聖な象徴として認識されていました。それを示すように西洋の人物画には、手袋をはめた上層階級の姿を描いたものが見られ、18世紀に編纂された『フランス百科全書絵引』には男性用や婦人用手袋の型と道具、そして手袋作りの仕事場が紹介されています。
しかしながら、手袋をはめていたのは上層階級だけではありません。防寒や外傷を防ぐための実用的な手袋が世界各地で作られ、使用されています。世界各地の貴重な手袋、素敵ですね。さらには「日本の手袋」も掲載されていますので、ぜひ、ご覧ください。
このほか、グローブミュージアム 公式ウェブサイトの「人物紹介」「手袋技術史」「手袋ギャラリー」の各コーナーが設けられています。「手袋ギャラリー」には「アスリート手袋」の紹介も。ゴルフ、フェンシング、サッカー、スキーなど、さまざまなスポーツで活躍した選手が着用し、うれしいとき、くやしいとき、勝利を夢見るときに寄り添い、汗と涙がしみ込んだ手袋たちが並びます。
なかには2021年に開催された「東京オリンピック2020」のオリンピアン使用モデルも。史上初のバーチャル中心の大会でしたが、こうしてリアルに戦った手袋を見ると、あの熱気が蘇りますね。
東かがわ市長・上村一郎さんがグローブミュージアム 公式ウェブサイトに掲載された動画でご案内くださっています。目安タイムは1:54~。こちらもぜひご視聴ください。
『<手袋特集・第二弾>朝ドラの舞台として話題! 東かがわ市の革手袋』の内容は、動画でもご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
YouTubeでの公開動画はこちら
いよいよ革製品紹介です。今回は「2023年秋冬・香川手袋イチオシアイテム」! 東かがわ市を拠点とするファクトリーの製品をラインナップ。まずは「防寒以外に使いたい革手袋」。ポケットチーフとして使える手袋を平田商店さんから届けていただきました。
価格 18,000 円(税込み)
カラー 5色展開/グレー、ダークグレー、グリーン、キャメル、イエロー
記録的な暑さが続くこの秋。冬も暖冬傾向であることが予想されており、防寒以外でもファッション小物として使える手袋があったらいいのに・・・ファッション好きユーザーの皆さま、お待ちかねですよね。
ポケットチーフの由来は、胸ポケットに手袋を入れたことがはじまりともいわれています。そんな歴史的なエピソードをアップデート。コートの胸ポケットに収めることが可能です。ビジネスシーンはもちろん、華やかな席、カジュアルな大人の着こなしにもマッチします。
薄く漉いたラム革を用い、掌側指股に小さな当て革(フィンガークロッチ)を取り付けることにより、手にぴったりフィット。耐久性もアップします。さり気なくストラップを配していて、左右をまとめておけるのも素敵です。
続いて、「ロングネイルの女性におすすめの革手袋」。フィンガーレスタイプの手袋を同じく平田商店さんの製品です。
価格 9,768 円(税込み)
カラー 5色展開/クロ・チョコ・ネイビー・レッド・グレージュ
5本の指が自由に使えてスマートフォンの使用や財布の開け閉めなど細かな作業にも便利です。革は上質で柔らかいラム革を使用。裏生地は薄手で通気性のよいキュプラを使用しています。
使用できる期間が長く少し肌寒さを感じた初秋から暖かくなりはじめた春先まで長く使用できます。デザインは小指側に革ひもを編み込み、同素材で製作したリボンを指先にプラス。裾部分にはロゴを素押ししています。ネイルとの手袋との色合わせ、アクセサリーとのコーディネートなど、可能性は無限ですね。
HIPPO’は動物のカバを意味していて、「あなたの手をカバ(カバー)します」とユーモラスなネーミング。思わず笑顔になってしまいますね。ロゴマークもカバのモチーフです。革手袋をシーズンレスで自由に楽しんでいただけます。
グローブミュージアムでもご覧いただいた通り、手袋はさまざまな機能性があり、多様な用途で使われています、新しいファッション手袋として、ライフスタイルのトレンドでもある、アウトドアやキャンプ向けに開発された製品をダイコープロダクトさんから届けていただきました。難燃加工を施したレザーを用いているそうです。
価格 12,100 円(税込み)
カラー 3色展開/カーキ、アイボリー、ダークレッド
ブランド名は「SOH」。1963年に創業し、1970年代ごろからは官公庁の装備品としての手袋製造の歴史が長いそう。現社長が、ダイコープロダクトに入社なさった20年ほど前から、メンズのファッション手袋を手がけています。オリジナルブランド「SOH」を立ち上げ、メンズカジュアルのカテゴリーのなかで、新しいことに挑戦するブランドにしたい、との想いが込められています。
消防用グローブの形をそのまま採用した、過酷な状況でも手をしっかり保護する本格的アウトドアグローブ。掌の牛革アテは指の曲がりを妨げない特殊形状で、縫製糸は強くて切れにくい糸を使用。裏地にはアクリルニットを採用。シリアルナンバーが入った世界でたった一つのプレミアムモデルです。
デニム地とのコンビネーションタイプ「成 Artisan Indigo」。もラインナップ。盆栽師・平尾成志(ひらおまさし)氏とのコラボレーションだそうです。こちらは、インディゴとブラック2色展開。サイズはM・L・XLの3サイズ展開です。
ラフにガンガン使って、いい味が出そうですね。アウトドア好き、キャンプ好きの皆さんに、機能的でフォトジェニック、ムービージェニックな素敵な革手袋をおすすめしたいですね。自分らしさ、新しい個性を表現していただけると思います。
同じく「アウトドアやキャンプで使いたい革手袋」ですが「SDGsを意識した革手袋」も注目です。近年お馴染みになってきたジビエ革のなかでも、存在感のある猪革の手袋。新ブランドのお披露目前のサンプルをレガンさんから届けていただきました。
価格 未定
猪革を主としたジビエレザーを使ったものづくり集団、「RUFFIAN(ラフィアン)」。RUFFIANは古い言葉で「あらくれもの」という意味。いただいた命を「使い切る」をコンセプトに野生動物の皮を
県内の猟友会の方からの要請で、どうにか皮を活用できないか?と相談され、有害捕獲された猪を利活用したブランドを始動しました。
「SOH」と同じくアウトドアをコンセプトとしていますが、ジビエレザーを使用していて、ひと味違いますね。農林業への被害軽減のため、有害捕獲された個体を利活用し、兵庫県たつの市で鞣した猪革を使用しているそうです。野生の証である、キズや虫さされなどは、ダメージではなく、その革の個性。ワンアンドオンリーの証でもありますね。
猟師さんによってプロセスや残った皮のコンディションが異なるので、鞣したときのクオリティが一定ではないところも課題。「与えられたものは全部使う」というコンセプトを追求し、県内はもとより県外も視野に入れ、より幅広くサステナビリティを目指すそうです。
2023年秋から冬にかけてリアルイベント出店をスタート予定。手袋だけでなく、アウトドアグッズを中心に「革を使いきる」ためのアイテムづくりを行っています。オンリーワンな商品を求めている方、SDGsへの取り組みに共感いただける方、革がお好きな方、製品と世界観に共感いただける方などに発信しています。
製品紹介の締めくくりとして、手袋ではないのですが、手袋を着こなしのポイントとして、魅せるアイテムにしてくれるアクセサリーをご紹介。グローブホルダーをヨークスさんから届けていただきました。
価格 6,050 円(税込み)
カラー 4色展開/グレー、レッド、ネイビー、ブラック
メンズライクないぶし銀色の金属には、アルタクラッセのロゴマークとブランド名が刻印されています。金属部分を軽く押してループ部分を調節できるので、厚みのある手袋から薄手の手袋までをしっかりホールドします。ストールやマフラーもホールドできるので、オールマイティーに使えるホルダーです。
これまでのグローブホルダーはフェミニンなテイストのものが多かったですが、こちらはチェーンなどではなくレザーのストラップなので、ジェンダーレスなデザイン。大人の男性のコーディネートにも似合いそうです。
画像右側の3つが「547AG700」
価格 6,600 円(税込み)
カラー 4色展開/ブラック、ワイン、ネイビー、チョコ
クリスタル部分を軽く押してループ部分を調節できるので、厚みのある手袋から薄手の手袋までしっかりホールドします。ストールやマフラーもホールドできるので、オールマイティーに使えるホルダーです。 手袋とセットでプレゼントするとスペシャル感が増します。バッグのハンドル部分にくるっと通してぶら下げるシンプルな構造なので落とす心配のないのがうれしいですね。
画像左側の4つが「2591AG901」
バッグへの装着例
革手袋というと、エレガントな冬の装いの象徴的なアイテムですが、もっと自由な新しい発想と、カジュアル感覚、アウトドア感覚の最新製品で、新しいコーディネートと革手袋のある生活を楽しんでください。皆さまのライフスタイルがより豊かになりますように!