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Z世代のものづくりと革鞄・バッグに対する意識の変化(1)
現役大学生に聞く、
革鞄・バッグ、私たちのいままでとこれから

Z世代のものづくりと革鞄・バッグに対する意識の変化(1)現役大学生に聞く、革鞄・バッグ、私たちのいままでとこれから

「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン 新語・流行語大賞 2021年度のトップテンに選出された、「Z世代」。1990年代後半~2000年代に生まれた現在10~20代前半がそう呼ばれ、令和時代の消費トレンドを牽引しているといわれています。

「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン 新語・流行語大賞 公式サイトには、「この世代を象徴するものが何かというと、それはもうスマホである。スマホが新語・流行語大賞を受賞したのが2011年、小学生の時には手に持つおもちゃはスマホだった世代だ」と表現されました。

いま、スマートフォンとSNSをネイティブ感覚で使いこなし、それらを起点に生まれるトレンドを発信し拡散するZ世代。この世代のクリエイターが考える革鞄、レザーバッグとは何か? 彼らが育んだファッションの歴史、感覚を探るべく、学校法人 日本教育財団 国際ファッション専門職大学 国際ファッション学部 教授 平井 秀樹先生と、平井ゼミの学生の皆さまにヒアリングのご協力いただき、Z世代のリアルを探ります。

Z世代のものづくりと革鞄・バッグに対する意識の変化(1)現役大学生に聞く、革鞄・バッグ、私たちのいままでとこれから

初めて使った革鞄・ハンドバッグは?

「ランドセル」との回答がトップでした。このほか、「人気ブランドのバッグ」、「中学校の指定鞄」、「ハンドメイド」との回答も。10代からファッションに興味があるひとばかりとは思っていましたが、自作の鞄が入ってくるとは予想外でした。

はじめて使った革鞄・ハンドバッグは?
13件の回答

はじめて使った革鞄・ハンドバッグは?

初めて使った革鞄・ハンドバッグの感想・想い出

「ランドセル」については、「長持ちして、6年間使えた」(千葉凌我さん)、「小学校で毎日大切に使っていました。今も押し入れに保管されています」(黄紳達さん)と、よい想い出になっているようです。

はじめて使った革鞄・ハンドバッグは、ご両親からのプレゼント以外にも、「お下がり」との回答が多く見受けられました。フリマアプリによる個人間売買が当たり前の世代にとっては、お下がりへのネガティブな印象がないようですね。

プレゼントの場合の贈り主
13件の回答

プレゼントの場合の贈り主

「母が若いころに使っていた20、30年前くらいのものでかなり古くなっているが、それも味が好きでした。今でも使い勝手が良くて使っています」(大塲朝希さん)、「使用感があって馴染みやすかった」(川村悠貴さん)と、本革ならではの経年変化を味わいや魅力として感じていただけています。

サステナブルの観点から、革鞄のリユース品、リメイク品の販売が急速に浸透しつつあり、古着に近い感覚で支持を広げそう。食肉の副産物としてつくられる皮革は、従来から循環型のものづくりですが、製品の流通、購入後の再利用まで含めて、新しい循環となりそうです。

革鞄・ハンドバッグ(日本製)を買ったことはありますか?

残念ですが、「ない」(78.6%)との回答が多数でした。コットン生地のトートバッグ、マルシェバッグなどを使うことが多いZ世代にとって、まだ革鞄を身近に感じられないのかもしれません。

革鞄・ハンドバッグ(日本製)を買ったことがありますか?
14件の回答

革鞄・ハンドバッグ(日本製)を買ったことがありますか?

就職後の購入についても、ファッション業界に就職し活躍するなかで、海外ブランド、ハイブランドの製品を手にとるひとが多いとは思います。憧れのアイテムを使って知ってから、日本製の革鞄・ハンドバッグのよさに改めて気づいていただき、新しいものづくり、クリエイティブに生かし、発信してくださることを期待したいですね。

社会人になって、初任給で買いたい革鞄・バッグ(日本製)はありますか?
12件の回答

社会人になって、初任給で買いたい革鞄・バッグ(日本製)はありますか?

国際ファッション専門職大学とは

国際ファッション専門職大学は多様化する現代社会でファッションの課題を解決するリーダーを育てるために、日本で唯一の専門職大学として誕生。東京・大阪・名古屋の3都市のキャンパス。服飾・ファッション・アパレルなど被服学の分野を学べる大学です。

55年ぶりに国がつくった新・大学制度、専門職大学は、今までの大学制度にはない「職業に直結した教育環境」で、卒業時には国際通用性のある学位として国が認めた「学士」が取得可能。一般的な大学卒業資格としてだけではなく、ファッションの専門職に特化した「学士」として活かせるからこそ、グローバルに活躍できる人材の輩出が想定されます。

幅広い分野の教育課程の修了者や社会人、各国留学生など多様な背景や経験をもつ人を受け入れる方針。社会人の学び直し、リカレント教育の受け皿としての役割も担い、新時代の教育機関として話題です。

国際ファッション専門職大学とは
国際ファッション専門職大学とは
国際ファッション専門職大学とは
国際ファッション専門職大学とは

国際ファッション専門職大学と皮革産業

ファッションビジネスのプロを育てる国際ファッション専門職大学と、革のプロフェッショナルが集う富田興業株式会社が産学連携プロジェクトとして「LEZZA RESILIENCE PROJECT」を立ち上げました。皮革産業における資源ロスの問題を解決することを目的し、ビジネスモデルをデザインするという実践的な取り組みです。

第一弾として、D級レザーをテーマに展開。キズなどがあり、グレードの評価が低いため、製品づくりに使用することが難しいとされてきたデットストックの有効活用を目指します。サステナブルが注目される時代をとらえ、市場に出回る機会がなかったD級レザーに光を当て、学生×社会人混成チームで製品化プランを練り上げました。

国際ファッション専門職大学と皮革産業
国際ファッション専門職大学と皮革産業

2021年11月に皮革業界のエキスパートやビジネスパーソンを審査員に招き、本格的なプレゼンテーションを実施。斬新なアイディアが生まれ、2021年12月の「東京レザーフェア」会場内、富田興業ブースにて、ついにお披露目。

財布、ペット用グッズ、花束のラッピング、ランプシェイドと多彩。来場者の目をひいていました。同プロジェクトにつきましては、テーマ2「業界の有識者&博物館担当者に聞く日本の鞄・バッグの現在過去未来」富田興業編でもお伝えする予定ですので、併せてご覧ください。

国際ファッション専門職大学と皮革産業
国際ファッション専門職大学と皮革産業

参考サイト

国際ファッション専門職大学

https://www.piif.ac.jp/

富田興業

https://www.tomita.co.jp/

革鞄・ハンドバッグ特集 テーマ2

https://timeandeffort.jlia.or.jp/bag/expert/08.html