VideoジャパンレザーVOICE:放送後記2P目
日本でいちばん歴史がある、靴づくり学校といわれるエスペランサ靴学院。東京・浅草から大阪に移転し、時代に合わせてアップデイト。靴づくりの技術を学ぶだけではなく、生徒と現場をつなぐ講師とが一緒になって靴文化をつくっていく、そんな学校を目指しているそうです。
靴文化の将来を作るため、業界の第一線で活躍しているOBを中心とした運営へと移行。講師陣は専門のインストラクターではなく、靴業界の第一線に身を置く実務者ばかり。教えることだけでなく、その先にある「靴文化の将来」のために集まり、尽力なさっています。
靴に関連する新たなビジネスの拠点になることも目標にするため、一年を通じて確かな製靴技術を身に付けてもらうとともに、商品企画やデザイン、マーケティング、ブランディング、販路開拓、開業、経営、金融なども学びます。事業や仕事に直結する内容がカリキュラムにぎっしり。
エスペランサ靴学院といえば、第9回の放送で、学院長の大山 一哲さんがご登場。見逃し動画も配信中です。
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2022年4月から技術を学び2023年3月末に卒業した48期生の一年の学びの集大成を発表する卒業展示会。3月17~19日、大阪・難波 なんばパークス3Fで行われました。今回は取材ご協力いただき、会場で撮影した画像をお借りしました。
「どんなことを学び、どんな靴をつくれるようになったのか?そもそも靴って未経験で一年学んで、つくれるもの?と、思われた方にも実際に手に取ってみてほしい」(大山学院長)との想いをストレートに表現したイベント。人気の商業施設で行われたこともあり、一般のユーザーの皆さまにもわかりやすいような配慮が行き届き、ものづくりのリアリティを伝える道具の展示も好評でした。
還暦を迎えた職人さんが特別出品したコーナーでは、おでこ靴を発表。トゥが丸くふくらんで見えることから名づけられました。80年代カルチャーが再注目されていますが、DCブランドブームの後期、おでこ靴をはじめ、安全靴がトレンド。その当時を知るつくり手がおでこ靴をお披露目しました。当時は黒縁メガネ、デカ衿のシャツとスタイリング。大人世代には懐かしく、若い世代には新鮮、というアイテムは、レトロブームと連動して人気です。
そのエイジレス感覚は、博報堂生活総研の長期時系列調査「生活定点 」の30年間のデータ分析で導き出されたキーワード、「消齢化」としても話題を集めています。昭和を彩った音楽「シティポップ」が世界中でヒットしているように、世代も国籍も言語も超えて、メイドインジャパンの靴が愛されますように。
スタジオでは作品の一部をお借りし、ご紹介。ベーシックなアイテムのディテールをアレンジしたり、トリコロール配色でポップに仕上げたり・・・と若い世代の感性が反映され素敵でした。
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【School MEMO】
エスペランサ靴学院では、さまざまなイベントを行っており、テレビや新聞などのメディアに多く取り上げられて話題となっております。最新情報や詳細はエスペランサ靴学院公式ウェブサイトおよび公式SNSアカウントをご覧ください。
今回ご紹介した作品をつくった各校の卒業生はこの春社会にはばたき、すでにプロとして第一歩を踏み出し、がんばっていることと思います。若い世代のつくり手、ビジネスパーソンの皆さま、日本の靴づくりをいっしょに盛り上げていきましょう!
「ジャパンレザー最新トピック紹介」では、まず「ジャパンレザーアワード」事前エントリー受付スタートのお知らせです。
「ジャパンレザーアワード」は国内最大の革製品コンテストで、今年で16年目を迎えます。国産のなめし革などを使用した作品を対象としていて、革を用いた製品の新たな可能性を見出すアワードです。このアワードを通じて、新たな“発想・表現”のできる人材の発掘と育成に取り組んでいます。
審査員長は、東京藝術大学美術学部 長濱 雅彦教授。第一回の「キーパーソンインタビュー」にご出演いただき、「ジャパンレザーアワード」についてお話いただきました。くわしくは見逃し配信動画をご覧ください。
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このほか、ファッション界、デザイン界の第一線で活躍する方が厳正に審査しています。人気デザイナーから百貨店のバイヤーまで、一流の方ばかりです。
2022年度のグランプリは、ベストプロダクト賞 野沢 浩道さん「チイサナフデバコ」が受賞。おめでとうございます。レザーステイショナリーがグランプリを受賞したのは初めてでしたし、企業に所属せず、ご自身でビジネス展開していない、作家活動をなさっている方がグランプリを受賞したのも初めて、と初めてづくしでしたね。
「キーパーソンインタビュー」にご出演いただき、「ジャパンレザーアワード」グランプリ受賞についてお話いただきました。野沢さんのグランプリ受賞は、新聞、テレビなどでも紹介され、話題になりました。くわしくは見逃し配信動画をご覧ください。
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グランプリは30万円、そのほか各賞10万円。そして、プロモーション動画の撮影、小冊子への掲載、さらに、大阪での受賞作品展示イベントへの出展などなど、メリットがいっぱいです。
まずは、6月19日から事前エントリーがスタート。同時に2023年度の公式サイトがオープン。事前エントリーは7月14日が締め切りです。この事前エントリーに申し込まないと、作品応募ができませんので、応募される方は必ずお申込みください。公式サイトの申込みフォームに氏名、連絡先など、シンプルな内容を入力するだけ。スマートフォンにも対応しているので、どなたでも簡単にできますよ。
くわしくは、「ジャパンレザーアワード」公式ウェブサイト および公式SNSアカウントをご覧ください。
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JLIAの新プロジェクト「TLA (Thinking Leather Action)」の最新コンテンツをお知らせいたします。説明会のレポートをJLIA公式ブログ で公開中。放送ではレポートをご覧いただきながら、ご紹介いたしました。
3月3日、東京・浅草 皮革健保会館6F 会議室で「Thinking Leather Action(TLA)」の説明会が行われました。近年、皮革・革製品に対する否定的で誤った情報が拡散されています。それらの情報を収集・分析し、正確な情報を皮革業界全体で統一的に発信していくために、皮革・革製品のサステナビリティを発信する「Thinking Leather Action(TLA)」事業が始動。プロジェクトの概要が紹介されました。なお、画像はパンフレットから抜粋したものです。
Thinking Leather Action(TLA)
パンフレット
説明会は2月1日の大阪を皮切りに姫路・豊岡・名古屋に続き、ついに東京で開催。全会場オンラインと併催されています。大規模なユーザーの意識調査を基に綿密に分析され、導き出された現時点での最適解を皮革業界に従事するビジネスパーソンに共有されました。
ユーザーの皆さまからの問い合わせ対応のガイドラインもあり、若い世代のスタッフがSNSを担当している場合、すぐに役立つ内容で確かな指針となっています。TLA座長 川北芳弘さんの熱のこもったレクチャーにより、内容がしっかりと伝わりました。
メディア展開も進行中。「繊研新聞」1面へのメッセージ広告掲載に続き、「WWDジャパン」での記事広告短期集中連載 が好評です。現在、3月13日発売号から3号連続で「革製品のサステナビリティを考える」をテーマに、インタビュー記事が掲載されました。
ファッションサークルに所属する大学生、人気セレクトショップ「BEAMS」のディレクター、世界的ファッションデザイナー 三原 康裕さんのインタビュー記事が同紙オンライン版で掲載。ツイッターでもバズりました。
「繊研新聞」(4月18日)でもインタビューが掲載されました。このほか、TLAの展開が活発になる予定です。TLAについては、JLIA 公式ウェブサイト をご覧ください。
2023年度から「キーパーソンインタビュー」と「革製品紹介」は隔月で交互に展開いたします。次回のライブ配信は6月21日です。レザークラフトファンに人気のクリエイターをお招きした「キーパーソンインタビュー」を予定しています。このほか、雨のシーズンにぴったりのコンテンツを鋭意製作中です。どうぞお楽しみに。