「キーパーソンインタビュー」
振り返り

皮革業界の第一線でご活躍のキーパーソンや新進気鋭のクリエイターにご登場いただき、いま注目の話題を掘り下げました。今年度は、レザークラフトファンにお馴染みのクリエイター、インフルエンサー、若手経営者、革製品コンテストのグランプリ受賞者にご依頼。若い世代の視聴者の皆さまに共感していただける内容となりました。

第12回 「.URUKUST」土平恭栄氏

土平氏はファッション業界、デザイン業界の第一線で活躍中のクリエイターを数多く輩出していることで知られる、東京都台東区のインキュベーション施設「台東デザイナーズビレッジ（デザビレ）」卒業生です。

プロダクトはもちろん、レザークラフトファンにお馴染みなのは、手づくりキット。発表当時、クリエイターズブランドとしては画期的な取り組みで、大きな話題に。日本最大の革製品コンテスト「ジャパンレザーアワード」では、2012年度の審査員特別賞を受賞するなど、高く評価されました。

「手縫いで作る上質な革小物」（日本ヴォーグ社）が2017年に刊行。レザークラフト初心者でも作りやすいよう、できるだけ扱いやすい工具を使い、できるだけシンプルな構造とプロセスで作品を提案。国内はもとより、アメリカ、フランス、中国、台湾、韓国の翻訳版も刊行。続いて「ミニマルスタイルの革小物」が2022年に刊行され、好評です。

書籍の影響もあり、海外でも人気。インスタグラムを見て、フランスから来日したフォロワーをおもてなし。いっしょに作品をつくったというエピソードが素敵でした。ジャパンレザーの魅力が世界のレザーファンをつなぐことは特別なことではなくなる時代になってきたようですよ！

第14回 村木るい氏

西日本の皮革業界の情報発信に信頼が寄せられる 村木るい氏。一般社団法人日本皮革産業連合会 ホームページ 公式ブログの連載をはじめ、「レザーソムリエ」皮革講座講師、人気イベント「本日は革日和♪」の主宰・運営、「レザークラフトフェニックス」スタッフ、ものづくりなどなど・・・多方面でご活躍。皮革業界のビジネスパーソンはもちろん、クリエイター、レザークラフトファンの皆さまにエールをおくる内容となりました。

人気のセミナー「しくじりハンドメイド作家さん」の一部をポイント解説は、セミナーを受講してみたかった方によろこばれました。ビジネスネームの活用と“愛をもつ”こと・・・など、店頭やイベントで起きていることを独自の視点で語るリアルなトークは村木氏ならでは。

「本日は革日和♪」は、3月に名古屋、5月に東京で開催決定！また、「レザークラフトフェニックス」では、毎月最終金曜の夜（ブラックフライデー）に、営業時間を延長し「フェニックスナイト」としてイベント化。そのなかの、初心者さん向けセミナーでは、村木さんが登壇。ちょっと難しいレザークラフトの専門知識をわかりやすく丁寧にレクチャー。少人数制なので、質問をしやすいのも人気ですよ。

第16回 waji 代表 菅野裕樹氏

さまざまなプロジェクトでメディアを賑わせているものづくり集団、waji 代表 菅野 裕樹氏が率いるものづくり集団 wajiは、これまでのバッグ業界、革小物づくりの概念を更新するような新しい取り組みを次々と発表し、話題となっています。

100均のバイヤーの経験で培ったコスト感覚が、ものづくりが厳しい時代をサバイブする武器になっているとは驚きでした。会社という言葉が日本一似合わない会社とご自身でおっしゃっていましたがフラットな関係性のチームビルディングは刺激になりますね。有形文化財に指定された古民家をアトリエにリノベーション、実店舗兼プレスルーム「ジャンル無き展覧会」で大阪から東京に進出、保護猫プロジェクト「aoneco」、行政とのコラボによるSDGsプロジェクトなどなど、時代の空気感、ニーズを反映した取り組みが次々と・・・。

インタビューでもチラリとお話なさっていた案件も正式発表！2024年1月1日には、ニュージーランド Hamilton Wanderers所属、サッカー選手 松本光平選手と個人スポンサー契約を締結。失明危機に陥るも現役復帰を果たし、プロとして挑戦し続けるフットボーラーをサポートするそうです。

契約にあたり、松本選手に視力障害を持つ方でも使い勝手の良い財布と白杖ケース（ともに本革製）を特注製作しプレゼントしました。こうしたプロダクトを、障害を持つ方と健常者の双方にとって使い勝手がよく魅力的なブランドとして展開することでファッションの壁をなくし、松本選手の「視⼒障害の⼦どもたちがスポーツをする環境づくりをしたい」という思いを実現するべく、商品代金の10％（予定）を活用できるプロジェクトを実行予定だそうです。ご注目ください！

第18回 石橋 善彦氏

日本最大規模の革製品コンテスト「ジャパンレザーアワード2023」グランプリ受賞者 石橋 善彦氏。レザーウェアブランド オベリスクのプロダクトマネージャーとして活動する石橋氏が現在ご所属の「オベリスク」さんは、「日常の贅沢」をテーマに、皮革を中心とした特徴ある素材を使用し、アーティスティックでアルチザン的なものづくりをなさっています。

「ジャパンレザーアワード」初となる、ジャケットがグランプリ受賞。パンチング加工レザー×刺し子という、意外性のある組合せは、家族の絆で生まれたとは・・・ハートウォーミングな物語にキュンとした方も多いのでは？

修理することを前提に考えた仕様となっているのも、サステナブルで素敵です。なお、グランプリ受賞作品はカスタムオーダー可能。国内産地でつくられたレザー（14色）をベースに、ステッチの糸は11色からセレクトできるそう。まさしく一生ものとしてつき合えるレザージャケットとなりそうですね。

「YKKファスニングアワード」と「ジャパンレザーアワード」のファッション系コンテストのグランプリ2冠達成！そして、先日出身地の地元メディアのインタビューが「yahoo! ニュース」に掲載され話題になりました。ますますのご活躍を期待しております。

以上、レギュラーコーナー「ジャパンレザー 旬暦」と「キーパーソンインタビュー」を振り返りました。くわしくは、各回の放送後記、もしくは見逃し配信動画をチェックしてください。見逃し配信動画の概要欄には、各ブランドの公式ウェブサイトもしくは公式オンラインショップのリンクが貼っており、とても便利。ぜひ、ご活用ください。