ブックガイド
絵本・童話セレクション
子どもの身体の成長には良い靴が欠かせない。心の成長には良い絵本や童話が欠かせない。シンデレラ物語、赤い靴、長靴をはいた猫など、靴が大切な役割を果たす物語は数多い。心と身体にシューズワンダーランドの楽しさ、大切さを伝えたい。
1:シンデレラ 自由をよぶひと
レベッカ・ソルニット作、渡辺葉訳、
アーサー・ラッカム絵、河出書房新社発行
(2020年)
伝説の挿画家の作品と気鋭の作家による新解釈のシンデレラ物語。王子様に幸せにして貰うのではなく、自分で自由と幸せをつかむ“今を生きるシンデレラ”を描いた大人の童話。
2:赤い靴
山中恒作 東逸子絵、偕成社発行(1992年)
戦争が激しさを増す中、外国製の磁器のママ人形、素敵な赤い靴を履いた金髪で青い目をした<モモちゃん>を焼き捨てなくてはならなかった軍国日本の悲しい思い出。
3:長ぐつをはいたねこ
ハンス・フィッシャー作・絵、
やがわすみこ訳、
福音館書店発行(1980年)
シャルル・ペローの原作童話を、ドタバタチックな物語と生き生きとした絵で再現したロングセラー絵本。人間はやがて、長靴を履いた猫とAIに頭が上がらなくなる。
4:アンディ・ウォーホルのヘビのおはなし
アンディ・ウォーホル作・絵、
野中邦子訳、
河出書房新社発行(2017年)
ニューヨークの靴店や皮革会社の広告イラストを描いていた初期のウォーホルが作ったポップな絵本。セレブ好きのヘビが様々な革製品になって注目・名声を得ていく!
5:王さまとよごれた足
サリー・ポム・クレイトン作、青山南訳、
ライアノン・サンダーソン絵、光村教育図書発行(2018年)
体を洗うことが大嫌いな王さまが、ある日、久しぶりに体を洗ったらとても心地よかった。が、歩くと足が汚れるのがとても不愉快。その解決方法は?靴を履くことだった!
6:くつやのねこ
いまいあやの作・絵、BL出版発行(2010年)
貧しい靴屋と一匹の猫。ある日、猫が、注文を集める良い考えがあると長ぐつを履いて──民話「長靴を履いた猫」を新解釈で描いた新進の絵本作家の作品。絵が素晴らしい。
7:靴屋のタスケさん
角野英子作、森環絵、偕成社発行(2017年)
戦争の時代の、小さな女の子と靴職人のお兄さんの切なくも心温まる物語。街の製造小売店の様子や手製靴づくりを描いた絵も丹念で、どこか懐かしいタッチで惹きつけられる。
8:くつやのドラテフカ
ヤニーナ・ポラジンスカ作、足達和子訳、
ワンダ・オリンスカ絵、福音館書店発行(2015年)
心優しい若い旅の靴屋が、旅の途中で知り合ったアリ、ハチ、カモに助けられ、魔法使いから与えられた難題を解決し、お姫様と結ばれるというポーランドの昔話。
9:シロクマくつや
おおでゆかこ作・絵、偕成社発行(2014年)
山の中で、靴の形をした空き家?を見つけた靴屋のシロクマが、それを新しい靴店に改装するとたちまち大評判、大繁盛。その噂を聞きつけて森の巨人がやってきた!
10:ぴりかちゃんのブーツ
さとうあや作・絵、福音館書店発行(2017年)
お誕生日に親戚のおじさんからもらったプレゼントはブーツの形をしたクッキーだった。それを友達にもおすそ分けして、みんなで楽しい一日を過ごす猫のぴりかちゃんの話。
11:くつが鳴る
手嶋洋美作、あべまれこ絵、BL出版発行
(2000年)
生まれつき体の不自由な女の子が、一生懸命に歩く努力を重ね10㍍15㍍と歩けるようになる。その足元には常に靴があり、女の子の希望を支え、キュキュと鳴っている。
12:くつがあったらなにをする?
ビアトリス・シェンク・ドゥ・レニエ作、
いしづちひろ訳、
モーリス・センダック絵、
福音館書店発行(2001年)
耳に引っ掛けたり、頭に乗せたり、バターを塗ったり、ジャムをつけたり──でもやっぱり足に履いて歩いておしゃれして。そんなお話しが続く愉快な絵本。
13:シンデレラ
ディック・ブルーナ作・絵、
かどのえいこ訳、
講談社発行(1994年)
ミッフィーの生みの親、オランダの絵本作家ブルーナがそのシンプルなタッチで描くシンデレラ物語。リアルでもドラマチックでもないのに、イメージが広がる。
14:モカシン靴のシンデレラ
中沢新一作、牧野千穂絵、マガジンハウス発行(2005年)
北米インディアン、ミクマク族に伝わる”シンデレラ”物語に似た神話を改編・創作した究極の”幸せ追求物語”。その幸せを招くのはガラスの靴ではなくモカシン靴だった。
15:こびととくつや
ももたによしひで・ももたにすみこ作、
誠文堂新光社発行(1997年)
貧しい靴屋を助ける2人の小人のお話世界を、すべて折り紙で再現した写真絵本。靴はもちろん、道具や家具まで折り紙という徹底ぶり。巻末には折り方も解説。
16:赤いハイヒール
ロッタ・ソールセン作、
中村冬美訳、
ビョーン・アーベリン写真、
日本障碍者リハビリテーション協会発行(2006年)
誕生日にママからのプレゼントは欲しかった赤いハイヒールではなく、地味なサンダルだった。そのサンダルをハイヒールに取り換えてもらおうと思い切って靴屋に行くと──。
17:くつってだいすき
赤星亮衛作・絵、フレーベル館発行(1982年)
靴屋さんを開いたゾウさん。腕は自慢でも、森のみんなは靴を履いたことがなく、注文は無し。ある時、間違って作った大きな靴が大好評、注文があとからあとから続きます。
18:くつやさんと10にんのこびと
林みづほ作、岡田昌子絵、金の星社発行(1977年)
グリム童話「こびとのくつや」をモチーフに貧しい靴屋の老夫婦と小人たちの心温まる交流を描いた物語。名作絵本として40年以上のロングセラーとなっている。
19:ちいさいくつ
さいとゆふじ作・絵、福音館書店発行(1991年)
靴箱の中でじっと履かれる時を待っている小さな靴。ある日、玄関に並べられ、歩き始めた赤ちゃんの足元に。土の上、草の上、明るい光、歩く喜びに充たされる足と靴。
20:くつなおしの店
アリスン・アトリー作、松野正子訳、
こみねゆら絵、福音館書店発行(2000年)
くつなおしのニコラス爺さんと孫のドビー、そして足が不自由なポリー・アンの心温まる交流と不思議な妖精たちの物語。靴が招く数々の奇跡と幸せに心がときめく。
21:ブーツをはいたキティのおはなし
ビアトリスク・ポター作、松岡ハリス佑子訳、
クエンティン・ブレイク絵、静山社発行(2016年)
「ピーターラビット」の作者が100年前に書き残した作品。家では礼儀正しく、外ではいたずら放題の黒猫キティの愉快なお話。やはり、ブーツを履いた猫は知恵がいっぱい。
22:くつくつみつけた
トミー・ウンゲラー作・絵、
五味太郎訳、
架空社発行(1987年)
カカシ、船、ワニ、アヒル、軍人、サイ、牛、アラビア人、フットボール選手──すべてのイラスト画の中に靴が隠れている!国際児童図書展エルバ賞受賞の楽しい絵本。
23:くつくつどんなくつ?
エリザベス・ウィンスロップ作、
なかがわちひろ訳、
ウィリアム・ジョイス絵、
冨山房発行(1994年)
ボタンのくつ、紐のくつ、ぺたんこぐつ、ぴょんぴょんとべるくつ、ながぐつ、リボンのくつ、スケートぐつ、きついくつ、ゆるいくつ──でも、ぼくたちがすきなのは”はだし”
24:シロクマくつや ちいさなちいさなうわぐつ
おおでゆかこ作・絵、偕成社発行(2016年)
ある日、シロクマくつやに注文が。森に新しくできる幼稚園に入園する子リスのための上靴を103足作って欲しい!さあ大変。楽しいドタバタ騒動が巻き起こる。
25:おくつとんとん
ジュンヒライ作・絵、福武書店発行(1988年)
わたしの靴ぱたぱた、お父さんの靴とんとん。花いっぱいの草原を散歩する父と娘、そして花に囲まれたお家にはお母さんが待っている。絵にかいたような幸せを描いた絵本。
26:くつのおうち
コリン&モイラ・マクリーン作・絵、
岡部史訳、カワイ出版発行(1995年)
マザーグースの童謡にある“大きな靴のお家”やジャックと豆の木の巨人、そして21人の子供たちなどを材にとった楽しいファンタジー。幸せ気分と元気がもらえる。
27:せんりのくつ
西本鶏介作、塩田守男絵、フレーベル館発行
(1996年)
千里の道もあっという間に飛んでいく千里の靴をはいた鬼から、子どもたちが靴を奪って貧しい父母や村を助ける物語。鬼や巨人が履く空飛ぶ靴の話は、世界各国にある。
28:くつ(世界ファッションの歴史)
ヘレン・レイノルズ作、
徳井淑子監修、
ほるぷ出版発行(2015年)
ファッションの歴史、さまざまな靴のデザインや素材やパーツのこと、靴にまつわる面白エピソードなどを易しく、楽しく解説するビジュアルな写真絵本。
29:くつ(身近なもののはじまり)
市田京子監修、野中祐文、PHP研究所発行
(2002年)
ヒトが初めてはいた靴、ヨーロッパの貴族の靴、大量生産が始まったころの靴、日本人と靴、いろいろな民族の靴、様々な仕事用の靴、等々、写真中心に解説するビジュアルブック。
30:くつひもトレーニングブック
レイクプレス編著、東京書籍発行(2017年)
アンダーラップ、ちょうちょ結び、ループ結びなど、定番の靴ひもの通し方、結び方を教えるトレーニング絵本。靴の組み立てモデルと靴ひも付きで実際に練習ができる。