Handmade recipe
手縫いでつくる
ポーチ&ミニクラッチバッグ
「Handmade recipe手軽にクリエイター気分」第二弾は、実力派ブランド〈 tokyo toff 〉デザイナー 大河なぎささんにポーチ&ミニクラッチバッグのつくり方を教わります。
手縫いというと、ちょっと難しい印象ですが、1本針でサクサクつくれるアイディアを盛り込んでくださいました。ワークショップで手縫いにトライしたことがあるかたなら、この簡単さを実感していただけると思います。
縫い目にも味わいが出るので、技術に自信がなくても安心です。
今回は必要な道具が多く、つくる際に音が気になるプロセスがありますので、お近くにシェアアトリエやDIY工房などがあれば、利用してみてはいかがでしょうか?
ファスナーを固定します。
ファスナーのテープ(両側)に両面テープを貼ります。はくり紙を外し、カーブに沿って革の裏面に固定します。
このとき、ステッチ用にあけた穴と重なるように貼り付けていきます。
縫う準備をします。(糸通し・玉結び)
40~60cmの長さに切った糸を針に通します。玉結びは、糸端を2回くらい通して大きめにつくります。
糸を針穴に通す
通常の裁縫とは異なり、レザークラフトでは特殊な糸の通し方をします。糸が針穴から抜けにくくなり、作業がスムーズに進みますよ。
①糸に針を刺します。
針を刺す箇所を確認します。
針穴と糸端をそろえた際の、針先あたりを目安にします。
糸に針を刺します。
指をケガしないように注意しましょう。
糸を爪先などで軽くつぶすと刺しやすくなりますよ。
②糸を通します。
糸を針穴に通します。
①針を刺した糸を、針穴の真下まで引き上げ、②糸端を針穴に通します。
針を刺した糸をほぐしておくと、次の工程で糸を引き抜きやすくなります。
③針の頭の方向へ、糸を引き抜きます。
糸を指ではさみます。
針を刺した箇所の糸を指ではさみ、もう片方の手で針先を持ちます。
糸をスライドさせます。
指を針の頭の方向にスライドさせます。
糸から針を引き抜きます。
そのまま指をスライドさせていき、針を引き抜きます。
通常の通し方に比べると少し手間はかかりますが、一度覚えてしまうと簡単にできるようになりますので、ぜひお試しください。
ファスナーと革を縫い付けます。
波縫いの要領で縫っていきます。最初と最後の1目は縫い重ねます(返し縫いの代わりになります)。
縫いはじめ、縫い終わり部分は、ファスナーの端とも重なり、厚くなっているので、針を刺すときなど、ケガがないよう気をつけてください。
縫い終わりは玉止めをし、もう片方も同じように縫っていきます。
残った革をファスナーの引き手にします。革をひも状に細く切り、ファスナーの金具に通します。好みのひもなどをあしらってもかわいいですね。
使い方もさまざま
つくり方のプロセスはまったく同じですが、サイズが変わると、収納力とともに印象もガラリとチェンジ。小さめサイズは眼鏡も入り、眼鏡ケースとしても使えます。
ファスナーをあけて、広げると、アクセサリートレイとしても活用可能。大きめのタイプはミニクラッチバッグ感覚で楽しんでいただけますよ。
監修:大河なぎさ(おおかわ・なぎさ)
〈 tokyo toff(トウキョウトフ) 〉デザイナー。
多摩美術大学、東京都立職業能力開発センター 製くつ科卒業。レザーシューズ&アクセサリーのブランド〈 tokyo toff 〉を立ち上げ、インキュベーション施設〈 浅草ものづくり工房 〉入居中に国内最大級の日本製革製品のコンペティション「Japan Leather Award 2012」グランプリを受賞。革靴と革の小物を “永く使うこと” を一番に考えてデザイン。
使うほど素敵になって、もつひとの「大切なもの」になるために 厳選した素材を使って手間を惜しまず都内の職人とともに靴づくりを展開。
現在、イースト東京・蔵前にアトリエを移転し、少人数制の革小物教室〈 class toff(くらすとふ) 〉も開設。近年では、政府系機関が行うUAEへの技術指導にも協力。海外向けのテキスト作成、監修も手がけるなど、幅広く活躍している。