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革の世界を知ろう 日本の革文化 世界の革産地

日本の革文化・世界の革産地

革の街を歩く - 姫路

革の街を歩く - 姫路

 日本が世界に誇る文化遺産である姫路城は、法隆寺とともに日本で初めて世界遺産に登録された建築物だ。城マニアでなくともその名を知る、日本を代表する史跡である。古くは2万以上あったともいわれる日本の城。江戸時代、また文明開化により、その数は急激に減り、現在、オリジナルの天守閣を残す城は十数件しかない。その中で、保存性、完成度、規模で群を抜いているのが、この姫路城なのだ。なにより圧巻なのがこの巨大な城が木造建築であるということ。世界最古の木造建築群である法隆寺とともに、日本の伝統技術の素晴らしさを今に伝えている。

 その歴史の中で一度も戦火にまみれることはなかったこの城は、内堀に沿うように流れている船場川をはじめ、播磨灘へと流れ込む多くの河川に囲まれているという、地の利によって守られてきた。姫路を旅してみるとそのことがよくわかる。播磨五川と呼ばれる加古川、市川、夢前川、損保川、千種川をはじめ、その支流も多く流れ、道中数多くの橋のある風景に出会うことができる。その川を山間へと北上すると、他の土地ではなかなか見ることのできない町が見えてくる。革の町だ。

 船場川の本流である市川を北上してみる。御着、高木という地名が目に飛び込んでくる。革好きであればその名に聞き覚えがあるかもしれない。そう、この辺りは革なめしの工場が日本の中でも突出して集中している地域なのだ。国内のタンナーが加盟している日本タンナーズ協会の会員名簿を見てみると、兵庫だけで実に7つの支部にわかれており、その中に200近い事業所が点在している。そのほとんどがこの姫路周辺で事業を営んでいる。これは全国の6割近いタンナーが姫路にあることを意味している。

 なめしの工程で欠かせない環境、水源。姫路・播磨ではその恵まれた環境のもと、古くより革のなめし技術が発展してきた。よく耳にする白なめしも、この地の革を語る上で欠かせない伝統技術のひとつである。現在でこそ、クロムなめしやタンニンなめしが主流となってはいるが、この地で育まれ、各時代の職人に伝承されてきた技術は、決して世界にひけをとらない。革製品が好きというだけでなく、実際に自分の手で革製品を製作してみたいと考えている方には是が非でも訪れてみて欲しい。町中のアンテナショップなどでは、できたてホヤホヤの皮革に触られれるだけでなく購入もできる。

 革製品を製作する工房を訪れると、必ずといっていいぐらいに置かれている、山のように積まれた革のサンプル帳。新しい素材、色、加工と革の技術は日進月歩で向上している。その最前線がこの姫路なのだ。

※姫路城は平成27年3月27日(金)よりグランドオープンいたしました。

姫路城
革の世界を知ろう『日本の革文化・世界の革産地』目次
  • Vol.7 ランドセル読本
    6年という長い年月を共にする大切なパートナー、ランドセル。実はここにもニッポンが誇る職人の技とものづくりへの想いが詰まっている。知れば知るほど、どれを選んでも同じという訳ではないことに気がつくはずだ。
  • Vol.6 革の国、紀州をゆく。
    日本の革の力を体感したい。その思いだけでこの地へやってきた。豊かな自然に囲まれた国、和歌山。かつては徳川御三家の一つであり、今は革の三大産地の一つである。その歴史と風土をかみしめながら、和歌山を、革を、旅する。
  • Vol.5 かばんの街「豊岡の旅」
    豊岡は歴史浪漫あふれる街。城崎温泉は1300年、出石そばは300年の歴史を誇る。いま、南北の観光地は、「豊岡鞄」を繋がりに賑わいを見せる。
  • Vol.4 革の街を歩く - 姫路
    姫路周辺地域は革なめしの工場が日本の中でも突出して集中している地域であり、全国の6割近いタンナーが姫路にある。新しい素材、色、加工と革の技術は日進月歩で向上している。その最前線がこの姫路なのだ。
  • Vol.3 革の街を歩く - 浅草
    年間600万人といわれる外国人旅行者のうち、約半数は浅草を訪れるという。浅草はまた外国人だけでなく、日本人にとっても古き良き日本に出会える特別な地であり、東京のキング・オブ下町といっていい存在だ。
  • Vol.2 世界の革産地を巡る旅
    人間の暮らしと密着している牛、馬、羊、豚が代表的だが、他にも革は無数の種類がある。ここでは世界中にある革とその国に伝わる技術の特徴を紹介しよう。
  • Vol.1 1000年以上の歴史がある日本の革文化
    日本の革の歴史は、飛鳥時代以前に大陸から渡来した人々によって、革の加工技術の多くが伝えられたとされている。ここでは、歴史とその地域の特性を紹介していく。

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