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日本の革文化・世界の革産地

革の街を歩く - 浅草

革の街を歩く - 浅草

 年間600万人といわれる外国人旅行者のうち、約半数は浅草を訪れるという。浅草はまた外国人だけでなく、日本人にとっても古き良き日本に出会える特別な地であり、東京のキング・オブ下町といっていい存在だ。伝統的な"ニッポン"を求めてやって来る観光客の多くは雷門をくぐり、仲見世を抜け、常香爐からなる浅草を辿り、やってくる。すでに合羽橋は料理関係者のための問屋街を超え、一般客にも人気の散策エリアとなっているが、最近では若い店主の審美眼が感じられる新しいカフェなどもでき始めた。浅草の町の魅力も多様化してきている。

 さて、浅草といえばこの合羽橋道残りを今に伝える浅草は都内でも最も稀有なエリアだ。たとえば江戸通りを北上するように東武線浅草駅のガードをくぐれば歌舞伎の助六で知られる花川戸だが、ここには靴や履物問屋がズラリと並び、どことなく昭和の香り漂わせる懐かしい光景に出会える。

 さらに浅草で日本の革文化に触れたければ、そのまま江戸通りを北上するとよい。待乳山聖天を過ぎ、二股に分かれる道を隅田川沿いに進むと、そこには日本で唯一の革の博物館「皮革産業資料館」がある。ここや神社など日本の伝統的なるものへの関心が高まりはじめている昨今。また日用品の中に美を見出そうとする「民藝」が新しい世代を中心に静かなブームを呼んでいる中で、身近なディスカバー・ジャパンを目指して、ぶらり浅草散策に訪れる若い人が増えているのだ。

 彼らの足は必ずしも浅草寺だけでなく、たとえば老舗のパン屋の角食がお目当てだったり、合羽橋道具街に職人製の行平鍋を買い求めたり、とこれまでの定番観光コースとは異具街があるように、革問屋が集まる地でもあり、レザーファンにとっては聖地なのだが、案外広くは知られていない。靴、鞄、ベルトなど台東区の革製品の出荷量は日本一で、その拠点は浅草を中心としている。江戸時代、同業の職人や問屋が集まり各地で町が形成されてきた。その名には江戸時代の革製品などが保存状態もよく展示されていて、とても興味深い。このような日本人のもの作りの高い精神を身近に感じる場所を訪れると、観光色一辺倒の浅草だけでは見えてこない、この町の底力にガツンとやられる。日本の革に興味のある方ならぜひ一度は訪れてみていただきたい。

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