Column
革の基礎知識
皮から革へ
皮がどのように製品に使われ、その特長をどう活かしているかは案外見えやすい。しかし、その原点である“なめし”の現場では、いったいどのような工程が行われているのだろう?
3なめしの種類
ナチュラルな風合いのタンニンなめし
▲ 濃度の違うタンニン槽に順繰り漬け込んでゆく製法のため、時間がかかる
植物の渋を利用したなめし。染料の吸収がよく着色しやすい。ただ工程には2週間以上かかることも。仕上がりは硬く丈夫で、紳士鞄などに人気。一方で着色していないヌメ革も人気。この色、実はタンニンの色だということは覚えておきたい。
しなやかで発色のよいクロムなめし
▲ 「タイコ」と呼ばれるドラムに、皮と薬品を入れまわす。時間、薬配分は経験が重要
短期間でなめすことが可能なうえ、加工をしやすいという利点で皮革製品の主流。「合タン」というタンニンと合わせた革など、他のなめし剤との組合せも可能と用途は広い。最近では技術向上によりエコの面でも優秀な革が多く出ている。