Column
日本の革文化・世界の革産地
東かがわ市の手袋産業
ひとつの原点から生まれた協同
日本の手袋産業の黎明期を支えた機械。技を磨き合い、助け合った歴史が今も残る
メジャーリーガーからオリンピックのメダリストまで、スポーツ界の一流選手のグローブも東かがわで制作されている。そんな製品の展示もあるグローブミュージアムでは、香川における手袋産業の歩み、製造工程から世界の手袋の歴史に至るまでありとあらゆる資料が展示・保管されている。手袋に限らず東かがわの職人たちの一品をお得に購入できるショップも併接
協働と創造
実は国内生産シェアの90%を占める日本の手袋一大産地がある。それが東かがわ市。
東かがわ市にあるグローブミュージアムには手袋に関するありとあらゆる資料が集まっており、国内生産のほぼすべてがこの地であるということを考えると、日本の手袋の歴史がすべてここにあるといっても過言ではない内容だ。
白鳥村を中心に手袋の生産が盛んになったのだが、そこから暖簾わけするように多くの手袋製造職人が生まれ、現在まで至る。その間にも、景気の状況や世界情勢などに影響されることもあったが、手袋のファッション化、またスポーツの普及により安定したものづくりが行われるようになった。
業界の中では一大産地と知られてはいても、一般的な認知度はまだまだ低い。それならばと「香川手袋」を地域ブランドとしてしっかりと広めていこうという活動が始まっている。
独特の立体的な縫製技術を受け継ぐ次世代の担い手たちは、手袋に限らず、その技術力を鞄や革小物にも応用することにも挑戦している。ものづくり大国の一端を担う、讃岐の職人たちの新しい一歩が、始まった。