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革の種類と特徴
バッグや靴、ウエアにベルトなど、人々を魅了してやまない革製品。だが、製品だけでなく革素材も気になるのが、レザーファンというもの。革のある生活をより楽しむためにも、革素材となる代表的な動物たちを覚えておきたい。
【牛】Cow
最も利用されている革素材
古くから最も革製品に利用されている革素材の代表格。仕上がりが美しく丈夫であり、流通量も多い。月齢や性別などによって下記のような名称・性質の違いがある。

【豚】Pig
日本で自給できる唯一の皮革
飼育から皮革製品までのすべてを、日本国内で一貫して生産できる唯一の皮革で、海外にも輸出されている。スエード状に仕上げたピッグスキン・スエードは人気が高く、カジュアルシューズなどにも使われる。革の表面に三つずつ並んだ毛穴は全層を貫通し、優れた通気性をもたらすため、靴の中敷に利用されることも多い。

【馬】Horse
光沢の美しいコードバンが魅力
繊維構造が粗く全体的に薄くもあるため、牛革に比べて強度は落ちるが、その分柔軟性に富んでおり、昔から衣料製品に用いられることが多い。なかでも、コードバンと呼ばれる採取量の少ない重量馬の臀部の革は、空気も水も通さないほど繊維が緻密で硬く光沢が美しい高級素材として重用されている。

【鹿】Deer
日本となじみ深い耐水性の高い革
柔らかで、手触りがよく、耐水性に優れているなどの特徴があり、日本では古くから武具や衣類に使われてきた。また、植物油でなめしたものはセーム革と呼ばれ、水分を吸収しやすいながらも硬くならず、伸びても元に戻る性質を活かして、レンズや自動車磨きにも使用されている。

【山羊】Goat
独特のシボと柔らかさが特徴
独特の表面の細かなシボが見られる山羊の革。おとなの山羊革をゴートスキン、仔山羊のものをキッドスキンと呼び、ゴートスキンの革は薄いが強度に優れ緻密な繊維をもつ。柔らかいが丈夫で型くずれしにくい点も特徴だ。キッドスキンはゴートスキンに比べてさらに薄くて軽く、高級靴や手袋、衣類などに用いられている。

【羊】Sheep
抜群の手触りで高級衣料に使用
羊革のことをシープ、生後1年以内の仔羊をラムと呼ぶ。毛穴によるキメが細かく、薄くて柔らかいのが特徴。ただし繊維が粗いため、強度が必要な革製品にはほとんど利用されない。ラムの手触りは素晴らしく、高級な手袋や帽子、また毛付きのものはムートンとしてコートなどに使われている。

独特の模様が魅力、エキゾチックレザーの動物たち