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革の買い物その前に - 知っておきたい基礎知識
しっかり押さえてショッピング
革の買い物その前に
知っておきたい基礎知識
「革で何か作ってみたい!」と思ったら、まず頭に浮かぶのは、どこで、どうやって革を買うのか、という疑問。そんなビギナーさんの素朴な問いに、一挙にお答えしましょう!
何を準備していけばいい?
靴、鞄、衣料などなど、革を使って作りたいものは人によってさまざま。小売店に行く際は、事前にある程度何を作るのかを決めていくと良い。色や質感などは店頭でじっくり選ぼう。
革の予算感ってどんなもの?
枚数単位での販売が多く、安い物だと、羊やヤギで一枚3000~5000円、牛革だと1万円程度のものが一般的。初心者は、数百円で買える安いハギレで縫う練習をしてまずは革になじもう。
どれくらいの革から
どれくらいの製品が作れる?
たとえばトートバッグなら30ds程度の大きさがあればOK。しかし購入は1枚単位からというところが多いので、型紙を持参して、欲しい革で何がいくつくらい作れるかを相談しよう。
欲しい革が
店頭にない場合は?
店頭に在庫がないときは、欲しい革をオーダーできる場合も。1枚単位から受け付けてくれる所もあれば、5~10枚まとめての注文でないと難しい所も。納期については商品によって異なる。
購入した革は
どうやって持って帰る?
店によっても異なるが、袋に入れたり革を芯棒に巻いて紐をつけ肩から提げられるようにしてくれたりするので、大量でなければ徒歩でも大丈夫。量が多い場合は店から発送してもらおう。
おすすめの交通手段は?
浅草から蔵前にかけての地域をすべて徒歩で移動するには距離があるので、おすすめはレンタサイクル。その他都バスの一日乗車券も便利だし、水上バスで観光気分も楽しんでしまうのも◎。
お店は突然訪問してもOK?
小売専門でない会社へは事前に必ず話を。小売店であれば通常の店舗のようにいつでも気軽に訪問可能。いずれにせよ欲しい革のイメージがあれば事前に電話相談しておくとスムーズだ。
土日もお店はやっていますか?
問屋さんはメーカーの営業日に合わせて、土日は休みの場合が多い。しかし会社によっては、日曜日にバーゲンを開催していることもあるので、チェックしてみるとよいだろう。
【店の特色を知って賢くショッピング】
革を専門に扱う企業、店舗が数多く集まる町、浅草。買い物に出かける前にまず頭に入れてほしいのが、それぞれの店の業態の違いだ。
ひとつめは「卸売業者」。一般的に〝問屋さん”と呼ばれる商売の形態だ。これらの企業は、基本的にはメーカーなどの他企業相手に革を卸売する。つまり〝プロ専用”のレザーショップなのだ。しかし最近では、事前に電話などで相談すれば、小売りにも対応するという会社も増えてきている。
もうひとつは「小売店」。いわゆる一般向けのショップである。浅草では一般向けと言えども革専門に商売をしている所がほとんどなので、訪ねてみるとその取り扱い商品の幅広さに驚く。また、小売店では数百円のハギレを販売していることも多い。これは革初心者の練習材料にはうってつけだ。
作りたいもののイメージを頭に描いたら、いざ、お気に入りのレザーに出会う旅へ!
レザーショッピング
|頻|出|用|語|辞|典|
♦ デシ(ds)
革の大きさはこの「デシ」という単位で表現する。10㎝×10㎝の正方形=1デシ。お店を訪問した際にも購入する量はデシでやりとりされるのでしっかり頭に入れていこう。
♦ バンまわり
革一枚の大きさのこと。動物の種類、成長度合いによって異なってくる。販売は一枚単位から、というお店も多いので、その一枚の〝バンまわり”がどれくらいの大きさかを把握することが必要だ。
♦ スキ加工
厚さを薄く漉く加工。革によっては強度の問題で漉けない場合もあるのでまず相談を。
♦ 箔押し加工
革の表面に箔を押し付ける加工方法。繊細な模様の箔押しも可能なので、レザーの感触ながら花柄を表現、などということもできる。
♦ 吟スリ加工
革の表面にやすりをかけるなどして毛羽立たせる加工方法。
♦ 型押し加工
加熱高圧プレスで革の表面に型を押して凹凸を出す加工方法。型盤さえつくれば、自由に色々な型押しが可能。
♦ ボンベ加工
グレージング(光沢)仕上げのワニ革のウロコに立体感をもたせる加工。