Column
革製品の見方 - ベルトを知る
ファッションを引き締める革ベルト。意外と知られていないその秘密に迫る。
いくら上手に服を着こなしていても、ベルトの選択を誤れば台無しになってしまう。それゆえ、ベルトは「おしゃれの隠し味」と言われる。ベルト選びのコツとしては、自分の体との相性を見ることが大切だ。良い革ベルトは徐々に使い手の体に馴染んでいくため、試着時からフィット感があるものを選ぼう。ベルトは品質の善し悪しがストレートに現れるアイテム。だからこそベストなベルトを身に付け、おしゃれの最後のピースを完成させよう。
Point_1 パーツを知る
1美錠
ベルトを保持し、デザイン面でも重要な部位。ステンレスや真鍮などが使われる。尾錠・バックルとも言う
2遊革
ベルト通しのことで、「さるかわ」と読む。美錠側にあり、ベルトの先(剣先)を固定する役割がある
3帯革
ベルトの本体であり、使われる革は牛、馬、山羊、豚、エキゾチックレザーなど多彩。仕上げもさまざま
4コバ
端の切り口のこと。衣類との摩擦で色落ちの原因となることが多く、適正に処理されているものを選ぼう
5ベルト穴
通常1インチ(約2.5cm)おきに3〜5個の穴がある。真ん中の穴で止めるのが最もバランスがいいとされる
Point_2 バックルを知る
トップ式
金具の部分にロゴやマークがデザインされることが多いトップ式。ピン穴だけでホールドするため、ゆったりと締めるときに向く
バックル式
このタイプは、微調整がしやすいことが利点。サイズ調節をする際は、バックル部分から15cmほどベルト部が出るようにカットする
ピン式
現在主流となっているタイプで、カジュアルからフォーマルまでバラエティが豊富。最近ではフリーサイズのものが多くなっている
Point_3 仕上げを知る
PROCESSING:1 シュリンク
革ベルトには多様な仕上げが使われる。シュリンクは革を縮めてシボを引き立たせた独自の味わいが特徴
PROCESSING:2 ベロア
牛革の裏面をサンドペーパーで摩擦し毛羽立たせたもの。ゴージャスな印象で、婦人ベルトによく使用される
PROCESSING:3 型押し
革の表面に高温高圧プレスでエキゾチックレザーなどの模様を付けた仕上げ。高級感が出て主張も強い
PROCESSING:4 オイルレザー
オイルを染み込ませた仕上げで、撥水性に富む。汗を吸いやすいベルトとは相性が良く、艶のある質感も魅力