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革の基礎知識 Basic knowledge of Leather

革の基礎知識

手に取るたびに、風合いが増す小物たち。

手に触れる機会が多い革小物たちは、
味わいの変化と共にさまざまな強度も大切になる。
購入の際のチェックポイントを紹介する。

靴や鞄に比べ、小物たちは必要な場面でしか表にでない。その代わり、一日に何度も手に取り、その風合いをその手で変化させていくことができる。デザインや機能部分は人それぞれの好みに大きく左右されるもので、選び方は自らの基準に準じることに間違いはない。
 ここでは、気に入った革小物を長く愛用するために知っておきたい購入時のチェックポイントや、意外と知られていない職人の細部にまで及ぶこだわりなど、財布から携帯ストラップまで一つひとつの代表的なアイテムについて紹介していく。

スマートさが演出できる

長財布

レザーグッズの代表格である長財布。お札を折らずにスマートに収納できる長財布は面積が広いため、革独自の風合いの変化をもっとも楽しめるアイテムだといえる。意外と見逃しがちなチェックポイントは、小銭入れやマチ部分の強度。シワやひびが出にくいものを。

長財布

衣服に触れるコバの状態もチェック

革を貼り合わせたコバ部はしっかりチェックしたい。毛羽立ちがあるとそこが劣化や色落ちの原因となる

衣服に触れるコバの状態もチェック

ステッチの美しさは強度への信頼を高める

縫い目がまっすぐでトビがないことを確認する。切れやほつれの原因となる糸の浮き沈みもよく見ておく

ステッチの美しさは強度への信頼を高める

コインが出しやすく強度が大切

小銭入れ

小銭入れ選びの一番大切なチョイスポイントはコインの出しやすさ。たくさん入ることよりも、ひと目で中のコインが確認できる方が使いやすい。また、革にとってコインは劣化をもらたすものなので、汚れが付きにくく、硬めの強い素材のものを選びたい。

小銭入れ

携帯しやすさと機能性を

二つ折り財布

二つ折り財布は、鞄の中に簡単に収納でき、パンツやジャケットのポケットにもすっぽりと入る携帯性能の良さと、小銭入れやカードホルダーなどの機能性がチョイスポイントになる。良いものはカードの出し入れが想定されており、膨らんだ状態でも型崩れがない。

日本の職人の技術力は
経年変化を見越すこだわりに

機能性が求められる二つ折り財布は膨らみやすい。良いものは外と内の革の寸法が異なり、革が内側に向く

二つ折り財布

異素材との組み合わせ

カードケース

プラスチックカードの素材などは、革にとってダメージが大きいもの。ホルダー部分が硬く色のダメージを受けにくい素材のものを選ぶか、異素材との組み合わせであれば比較的長く使えるはずだ。収納力もさることながらやはり素材やデザインにもこだわりたい。

カードの見やすさと出し入れのしやすさ

カードを使うシーンといえば、おもにレジやATMなど。短時間に的確にカードが扱える機能性を確認

カードケース

第一印象を決めるアイテム

名刺入れ

ビジネスマンにとって名刺入れはファーストインプレッションを大きく左右する重要なアイテム。デザインや革のバリエーションも豊富になっているので、自分らしさをよく検討して、戦略的に選びたい。外側だけでなく内側の革の丈夫さもしっかりチェックする。

名刺入れ
名刺入れ

たくさん入れても不恰好にならない
設計のものを選ぶ

名刺をたくさん入れても不格好にならないものが望ましい。
マチのつくりや素材の伸縮性をチェックしよう

手にしっくり馴染むものを

ブック・カバー

ブック・カバーに求められることは、大切な本を守ることと同時に、本を手に取っている時の持ち心地。手に馴染むことが一番疲れないのだが、最初から柔らかい革を選ぶのも良いが、硬めの革をじっくりと育てていくのも楽しい。必ず手に取った印象を大切に。

ブック・カバー
ブック・カバー

栞部分の仕上がりは大切な本に影響あり

カラーデザインのブック・カバーの場合、本への色移りが気がかり。
コバ部分や栞の仕上がりを確認したい

鍵を収納した状態をイメージ

キーケース

最近の車の鍵は電子キーなどかさばるものなどがあり、収納した時に想像以上に膨らんでしまうことがある。普段持ち歩く鍵がすべて入ることを購入時にしっかりイメージすることが大切だ。また、形の不揃いな鍵を収納するので、シワの出かたもイメージして革を選びたい。

キーケース
キーケース

開いて内側の強度や縫製をチェックする

革製品すべてに言えることだが、縫製の確かさと耐久性は比例する。
内側の状態をしっかりチェックしたい

革らしいぬくもりのあるものを

携帯ストラップ

無機質な携帯電話を温かみのあるものに変えてくれる革の携帯ストラップ。何よりこだわりたいのが革の質感である。革小物の中でももっとも消耗が激しいので、貼り合わせのものやステッチのあるものなどの細部の強度もしっかり確認して購入したい。

携帯ストラップ