Column
革製品の見方 - 鞄を知る
革の魅力と職人の高い技術が凝縮されている革鞄。愛用品と長く付き合うために、正しい知識を知っておこう。
Point_1 パーツを知る
1ハンドル/手ひも | Hand string
革鞄の重みを支える手ひもは堅牢性と持ちやすさが求められる。上質な鞄の手ひもは持つほどに手に馴染んでいく。形には一本手、二本手、ショルダーなどの種類がある
2まち | Gore
鞄を立体化させ、その収納量を決める側部。まちの形により鞄にさまざまなバリエーションが生まれるため、デザイン的にも重要な部位だ。横まちや通しまちなど種類も多い
3ファスナー | Fastener
開閉機能を司るファスナーは、スムーズな動きが命。引っかかるようだと周辺の歪みにもつながるので、購入の際にはチェックしたい。意外と修理が多い部位でもある
4底 | Bottom
地面と接触することが多いので、頑丈であることが重要。立ち姿を安定させ型崩れを防ぐために、一定の硬さが必要な部位だ。底の角は傷みやすく、縫製の確かさが問われる
Point_2 タイプを知る
トート
容量が大きく、物を運ぶのに適したバッグ。それゆえに、手ひもには重量に耐えうる頑丈さと手や肩に優しい柔らかさが求められる
ショルダー
肩から下げるショルダーバッグは、サイズやスタイルもさまざまで両手の自由がきくことからカジュアルシーンで好まれている
クラッチ
手ひもがなく、パーティなどで活躍する小型のバッグ。写真のようにショルダーとしても使える2WAYのクラッチバッグも増えている
ダレスバッグ
厚いまち幅と広い口金が特徴的なダレスバッグは、重厚な存在感と気品にあふれた絵になる鞄。ビジネスだけでなく広く活用できる
ブリーフケース
ビジネスバッグの代表格、ブリーフケース。開閉口が大きく、まちの可動範囲も広いため、書類や資料の収納に優れている
[Column] TPOに応じて良質な革鞄を複数持とう
鞄はファッションの要として、ビジネスからタウンまであらゆるシーンで活躍する。TPOやコーディネートに応じて複数の鞄を使い分けたい。特に女性の鞄はフォーマル用、カジュアル用、パーティー用と幅が広いが、長く愛用できる鞄の共通項としては、1)立ち姿が安定していること、2)縫い目が正確なこと、3)手ひもが頑丈であることなどが挙げられる。また、鞄は収納量が決められており、物を入れ過ぎると革を傷め型崩れを起こす。収納する物のイメージを持って鞄を選ぶことが大切だ。良質な革鞄は、正しい使い方をする限り長く付き合える。だが、革は生き物。休養を与えるという意味でも、鞄を複数持つことは大切なのだ。
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