Column
諦めるのはまだ早い!革製品のトラブル対処テク
2. 引っかき傷が目立って困る…
自分では対処できないと思われがちな革製品のトラブルも、実はセルフケアが可能。よくある革製品のトラブルをピックアップし、専門家に伝授していただいた。
引っかき傷が目立って困る…
無数の引っかき傷が目立つ手帳カバーは、見られるとちょっと恥ずかしい。保湿と補色をすれば、見違えるほどきれいになります!
スムースレザーの手帳カバー。無数の引っかき傷がついてしまったが対処が分からず放置。傷ついた部分は色が取れて目立つ。
スムースレザーの手帳カバー。無数の引っかき傷がついてしまったが対処が分からず放置。傷ついた部分は色が取れて目立つ。
クロス / クリーム / 染料 / 色落ち防止剤
STEP 1 クリームで汚れを浮かして取る
たっぷりめのクリームで汚れを浮かそう。傷が目立たなくなる効果も。
モイスチャークリームを布に取る。使った布は、ネルシャツなどに使われる、フランネルという起毛した柔らかい紡毛織の素材を使ったもの。
クリーム部分を直接革に付け、素早く全体に広げる。肌をいたわるように優しく拭こう。ゴシゴシ強くは×。
STEP 2 コットンで余分な水分を拭き取る
染料が染み込みやすくなるように、余分なクリームはオフ。
乾いたコットンで全体を軽く拭く。余分な水分を取ることで染料がより染み込むようになる。コットンの細かい繊維が程よく水分を吸収する。
STEP 3 染料を馴染ませ色落ちをカバーする
色味チェックをしてから染料を塗り込む。傷部分は多めに。
小皿などに染料を出し、少量ずつ布につけ塗っていく。今回は2色の染料を調合。まずは目立たない手帳の中面などで色味を確認しよう。
ムラにならないように全体に塗っていく。これを2、3度繰り返す。縁や傷の部分は繰り返し塗り込もう。
STEP 4 色落ち防止剤で表面を保護する
染料の塗りっぱなしはNG。色落ち防止ケアをしよう。
染料が落ちないように、色落ち防止剤を塗る。全体に伸ばしたら、乾かして浸透させよう。プラスチックの成分が表面を保護してくれる。
STEP 5 クリームでムラを伸ばし均一にする
ムラがなくなるよう、最後のひと拭き。繊維の細かい布を使うのがポイント。
Step1で使用したクリームをムラになっている部分に直接塗り伸ばす。クリームに含まれる水分と油が、染料のムラを程よく革に馴染ませる。
前述のコットンもしくはコーデュロイでもOK。これらの繊維の細かい布は余分な油分や水分を吸収しやすい。優しく磨き上げよう。
傷の部分はプレスして平らに!
傷は革の目に対して毛羽立っている状態。表面の色の剥がれと、光の屈折が異なることで目立ってしまっている。そこで、クリームを濡らした指や布などでプレスすると平らになり、光の屈折がなくなる。よって傷が目立たなくなる。ただし指で直接染料を触ると肌が荒れることもあるので注意。
保湿をし、染料を塗ったことで美しく蘇った手帳。どこに傷があったかも分からないほど!乾燥しないようお手入れを続けたい。
保湿をし、染料を塗ったことで美しく蘇った手帳。どこに傷があったかも分からないほど!乾燥しないようお手入れを続けたい。