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月イチケアからはじめてみよう プロが教えるメンテマニュアル
長年使い込むことで、味を増し自分だけの風合いへと経年変化する革。そのためにはしっかりとしたメンテナンスが大事。まずは月イチからはじめる基本メンテを紹介する。
スエードブーツ編
ブラッシングの方向を
使い分けると綺麗に仕上がる
スエードレザーは汚れやすく染み込みやすい革だが、磨きあげられる表革と違って、ほぼブラッシングくらいしかケア方法がない。したがって、メンテナンスの基本は寝てしまった毛を起して、その間にある汚れやホコリを掻き落すことである。
そこで注意したいのがブラシをかける方向。汚れを掻き出すときはあらゆる方向からブラシをかけ、最後に毛並みを揃えるときは一方向にブラシをかける。また日頃から撥水スプレーをかけるようにすると良い。
皮革用の撥水スプレー、スウェード・ヌバック用ブラシ、スウェード・ヌバック用ラバー、シューツリー。
![準備するものはコレ](img/22_img_meinte.jpg)
![かなり履き込まれたスエード仕様のエンジニアブーツ。](img/22_img_01.jpg)
かなり履き込まれたスエード仕様のエンジニアブーツ。
各所に汚れが目立つ。
![ベルトを外す](img/22_img_02.jpg)
エンジニアブーツなので、シューレースはないがベルトは外しておく。これで細部までしっかりとブラシがかけられる。
![シューツリーを入れる](img/22_img_03.jpg)
シューツリーを入れて履きジワを伸ばす。シワには汚れやホコリがたまりやすい。シューツリーはサイズが合うものを選ぶ。
![ブラッシングで汚れを掻き出す](img/22_img_04.jpg)
ブラシを使って汚れを落とす。毛の向きは考えずに、いろいろな方向からブラッシング。寝ている毛を起して、汚れを掻き出す。
![しつこい汚れは生ゴムで落とす](img/22_img_05.jpg)
ブラッシングだけでは落ちないしつこい汚れはスエード用のゴム(生ゴム)を使用。ラフアウトのものであれば強く当ててもOK。
![さらに落ちない汚れはペーパー](img/22_img_06.jpg)
スエード用のゴムでも落ちない汚れには粗めのペーパーを使うと良い。ブラッシングよりも毛足が起きるので汚れを落とせる。
![表革部分にはオイルを塗り込む](img/22_img_07.jpg)
表革に切り替えられたカカトの部分にはオイルを入れておく。入れすぎもよくないので、油分と水分のバランスを考える。
![撥水スプレーで防水防汚を](img/22_img_08.jpg)
全体の汚れが落ちたら、防水防汚効果のある皮革用の撥水スプレーをかける。あまり近づけすぎると染みになるので注意が必要。
![ブラシで毛並みを整える](img/22_img_09.jpg)
スプレーが乾いたら、最後にブラッシングでスエードの毛並みを整える。仕上げなのでブラシは一方向に動かす。
![下矢印](img/22_arrow02.gif)
![汚れを落とし、ブラッシングで毛並みを整えると、見違えるほど綺麗な状態に。](img/22_img_10.jpg)
汚れを落とし、ブラッシングで毛並みを整えると、見違えるほど綺麗な状態に。