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革製品のお手入れ

「いい味」レザーウェアの作り方

「いい味」レザーは自分でつくる!

シミ、カビ、ニオイからウェアを守る!
「いい味」レザーウエアの作り方

レザーパンツもジャケットも、ひと目でカッコいいなと思うのは、着ている人のボディになじみ、「いい味」になっているもの。長く愛用しないとなかなか出しにくいこの「味」の育て方を紹介する。

「いい味の」ための3大鉄則

革は強くしなやかな素材であることを知る

そもそも革は、命を守る皮膚であったのだから、丈夫でないわけがない!コラーゲンの繊維質で構成されており、とてもしなやかで強いのだ。

汚れやキズを気にしないで、とにかく着る

人間の体から出る熱や水分、油分が革の美しさ、しなやかさを保つために多大な働きをする。少々の汚れをしのぐ美しさが生まれるので、とにかく着るべし。

食べこぼしなどは、こすらず叩いて落とす

うっかり何かをこぼしたときは、革の繊維の奥深くに液体が入り込まないよう、軽くトントンと叩いて拭き取るべし。こするとしみになってしまうので注意を。

ハードなレザーを自分の体になじませるには……?

ハードな状況に耐え、使うほどに美しさと深みが増すのが、レザーウエアならではの魅力。だが、そこまでいかないうちに、色落ちしてしまったり、カビ、シミなどが気になってしまうのも多くのレザーファンがもつ悩み。つまり、レザーには強みもあれば弱みもある。そこで、レザーウエアと上手に付き合うコツを紹介しよう。
レザーウエアはしなやかであり、きちんと扱えばとても丈夫なもの。ライダースアイテムは、衝撃や過酷な状況にも耐え、着ていくうちに味わいを増していく。
手持ちのアイテムの味を増すにはとにかく〝着る〟ことが大事。頻繁に着ていれば、カビやニオイも防げる。レザーは生き物のため、人間の体温や動きに合わせて形を変えていく。ジャケットの場合、ひじ(関節部分)が柔らかくシワになっていくなど持ち主の体にぴったり合ったアイテムに仕上がる。たまに、シミや汚れを気にして、大切に保管している人がいる、それは本当にもったいないこと。着なければレザーは硬くなっていくし、保管の状況次第ではカビや湿気によるシミの恐れも。着ないからこそ、ニオイも気になってしまう。食べこぼしを心配する人も多いが、こぼした後、タオルなどで叩くようにきちんとふき取れば、シミになりにくいものなの。もし、シミになってしまっても、リフレザーというクリーニングサービスもあるのでご安心を。

ボディになじみ、レザーならではの「いい味」を出す3つのポイント

レザーウエアは「一生モノ」として付き合いたいもの。ここでは、長く愛用するための簡単なコツを紹介しよう。

1オイルのお手入れ

革は加工の過程で脂を加えられる。また、私たちの皮脂なども着ていくうちについていくので、それほどオイルの手入れは必要ない。ただ、かさつきやパサパサ感が気になったら、少量のオイルをスポンジにつけて表面を拭くとよい
オイルのお手入れ
オイルのお手入れ

【急場の策】
防水スプレー

パッと見、革の表面(銀面)はなめらかに見えるが、実は無数の小さな穴が空いている。ここに水分や排気ガスが入り込むと、シミやカビなどの潜在的な原因になることも。急な雨などの場合は防水スプレーを使って凌ぐという手も有効だ

2よごれが付いたら、押すように叩き取る

コーヒー、お茶などの飲み物をこぼしたら、あせってこすってしまうと、シミの原因になってしまう。タオルやティッシュペーパーなど吸水性が優れたもので、叩くように汚れをすばやく取る。このとっさのワンアクションで、ダメージは格段に抑えられる
よごれが付いたら、押すように叩き取る

3一番大切!とにかく着る

着ていれば、形が整うだけでなく、保管中に革が蓄えた湿気を、人間の体温や外気に触れることによって放出できる。つまり、着ることによって、シミやカビが防げるのだ。レザーウエアのオフシーズン・夏は、2週間に1回程度、涼しい日を選んで袖を通しておくとよい
一番大切!とにかく着る

Attention

レザー初心者にミス多し!
これだけはだめ!3つのこと

①ミンクオイルべったり…

レザーの手入れ=ミンクオイルとばかりに、たっぷりのオイルを塗りこめる人が多い。革そのものにも油分のオイルが含まれており、過剰に塗りこめると逆にシミの原因になることも。手入れするときはほんの少しでOK。

②クローゼットに吊るしっぱなし

できれば真夏も定期的に袖を通したいレザーウエア。それは、形を整えるだけでなく、シミやカビを防ぐことになるから。クローゼットに入れっぱなしにしておくと、硬くなったりカビが生えたりすることも。

③大切に保管しすぎる

本格的なレザーウエアは値段も張る。だからといって晴れ舞台の日まで大切に保管しすぎるのも考えもの。常に袖を通し、ウエアと共に動いているからこそ、長い期間の着用に耐えられるしなやかさを保つのだ。

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