Column
革のトラブルシューティング 悩み別セルフメインテナンス術
6.ケアの仕方がわからず放置したら、真っ黒に!
6ケアの仕方がわからず放置したら、真っ黒に!
革は水に濡らすと、水ジミの原因になると思いがち。だが、それは大きな間違いだと言う。革は水に濡らすことで汚れが浮いてくる。そのため確かに部分的に濡らすと浮いた汚れがキワに集まり、それが付着して水ジミになる。けれども全体を濡らし、浮いた汚れを洗い流してあげれば、シミにはならないのだ。ただし水洗いは水が染みないよう加工してある革では効果がない。目立たないところで水が染みるかを試してから実践しよう。
バイク用として長年使用してきたヌバックのグローブ。「やり方がわからず、一度も手入れをしていない」と持ち主。黒ずんだ汚れは見た目もさることながら、衛生面も気になる
革用シャンプー / 色アセ、色剥げに使用するカラーリング剤 / 天然ゴムを発泡させたスエード・ヌバック専用のブラシ / 綿製の布 / 保湿クリーム代わりの栄養剤スプレー(防水効果もあり)
STEP 1 汚れをアラ落としする
布に革用シャンプーを付けて、特に汚れのひどい部分をこすり落としていく。なるべく布のきれいな面を使うのがポイント。布が少し でも汚れたら、面倒がらずに巻き直す
STEP 2 しつこい汚れは爪を使う
しつこい汚れは爪を立てて引っ掻くようにして取る。ヌバック地は革が強いため、力を込めてこすっても問題ない。革の奥に入り込んだ汚れをかき出すイメージで洗っていこう
STEP 3 シャンプー入りの水で洗う
桶に水を張ってシャンプーを入れる。その中にグローブを入れて洗っていくが、この方法は丈夫なヌバックのみ。ヌメ革などのスムースレザーは、水に濡らした布で水拭きする
STEP 4 揉み洗いする
桶の中にグローブを浸して、揉み洗いする。指先など、汚れのひどい部分は革をこすり合わせるようにして洗い落としていく。グローブを裏返し、内側もきれいに洗っておこう
STEP 5 真水で洗剤をすすぐ
真水に汲み替えて、洗剤をすすぐ。ヌメリが取れるまで水に浸して絞るを繰り返す。上の写真はすすぎ終えて絞った状態。形を整えて日陰干しする
STEP 6 乾かして汚れをチェック
乾いてもまだ汚れが残っているようなら、水洗いを繰り返す。革は乾くと縮むが、手にはめてほぐせば元に戻る。また今回は色が抜けていたため、カラーリング剤を塗布した
STEP 7 ゴムブラシで毛を起こす
ヌバックは洗うと毛が寝てしまうため、ゴムブラシを使ってブラッシングする。ブラッシングすることで、汚れもさらに取れる。角を使って隅々までブラッシングしていこう
STEP 8 仕上げに栄養分を補給
最後に栄養剤をスプレーして、水洗いで抜けた油分を補給する。防水効果もあり、汚れが付きにくくもなる。ヌメ革などのスムースレザーの場合は、代わりに保湿クリームを塗る
黒汚れがほとんど目立たなくなった。革は汚れが中まで入り込むと取れにくいため、マメにケアしてあげることが大切。特にグローブは肌に直接触れるので、清潔にしておきたい。